26年版・倒産危険度ランキング【危険水域408社】 過剰債務企業に迫る「最終審判」#9Photo:PIXTA

半導体・電子部品業界は、人工知能(AI)普及の追い風を受けているが、全体が右肩上がりというわけではない。電気自動車(EV)シフトの鈍化や部品のコモディティー化、激しい国際競争でかつての有力銘柄も逆風にさらされているのだ。特集『26年版・倒産危険度ランキング【危険水域408社】過剰債務企業に迫る「最終審判」』の#9では、半導体・電子部品業界の倒産危険度を検証。“危険水域”にランクインした18社の顔触れを明らかにする。(ダイヤモンド編集部 井口慎太郎)

パワー半導体の失速がロームを直撃
SUMCOも生産拠点再編が重荷に

 半導体・電子部品業界は人工知能(AI)の普及を背景に、先端半導体に関連する製品の売れ行きは好調だ。しかし、同業界メーカーがおしなべて順風満帆というわけではない。

 とりわけ厳しいのが、欧州と中国の電気自動車(EV)シフトの鈍化でパワー半導体需要が従来の見通しに比べて落ち込んでいることだ。パワー半導体を手掛けるロームを、この逆風が直撃している。将来を見据えて生産設備に投資していたが、現在は人員や工場の整理を進めている。2025年3月期の最終損益は500億円の赤字(前期は539億円の黒字)に落ち込んだ。同社が最終赤字となったのは12年ぶりだ。26年3月期は販管費を抑えて90億円の黒字を見込んでいる。

 自動車向けの半導体に使う口径が比較的小さいシリコンウエハーの需要も伸び悩んでおり、中国メーカーとの価格競争が激しくなっている。同分野の大手、SUMCOは宮崎県の工場でのウエハー生産を26年末に終える予定だ。この構造改革に伴う特別損失を計上した24年12月期は、純利益が前期比69%減の198億円だった。コモディティー化が進む汎用品から先端品へのシフトを迫られている。

 今回、ダイヤモンド編集部は半導体・電子部品業界を対象に倒産危険度を検証した。その結果、18社が“危険水域”にランクインしたことが判明した。次ページで、その顔触れを紹介していく。ロームは17位、SUMCOが11位に入るなど、著名企業も多く含まれている。昨年の同ランキングで11位だった国内液晶最大手のジャパンディスプレイ(JDI)の倒産危険度はどう変化しているだろうか。