ケンジのB班は、溝口大和の提案により課題成績の点数制に、C班は投票制を選択しました。
ランニングマシーンで走りながらの計算や、パソコンでの入力作業など、一風変わった課題をこなしていくなかで、ケンジは一方的に溝口からライバル視され、ふたりは何かと意見が噛み合いません。
挑発的な溝口の態度に戸惑いを感じ、班の微妙な空気に疑問を抱きながらも、どうすべきか突破口が見えないケンジ。
一方、A班の六太は、メンバー4人を観察することで、それぞれの人柄を理解しようとします――。
優秀な人材ばかり集まった
B班は開始そうそうに瓦解
六太から「まだ青春してやがる」と突っ込まれるほど、爽やかで熱い男・ケンジ。彼は、賢者風リーダーシップ(編集部注/頭脳明晰で決断力に長け、先頭に立ってみんなを引っ張りながらチームをまとめるタイプのリーダーシップ。愚者風リーダーシップと対になる概念)を発揮するタイプです。
「人として正しくあるべき」という思いが強いので、きっと学生時代から人望もあり、クラスのみんなから頼られる存在だったと想像できます。
これは僕の勝手な憶測ですが、女性にもモテたはず!しかも複数の女性から告白されても、二股や浮気など絶対にしないでしょう。「曖昧な態度はかえって相手を傷つけるから」などと言って、爽やかにハッキリ、断りそうですね。
そして同じB班の溝口もまた、賢者風タイプです。彼の場合は自分の有能さを理解していて、エリート意識も強い。その能力の高さを周囲に知らしめることで先頭に立ち、チームをまとめようとする傾向があります。論理的で頭の切れる溝口の発言は常に正論なので認めざるを得ませんが、内心は快く思っていない人もいそうです。
このB班のように、ひとつのチームに賢者風タイプが複数集まると起こりやすいのが、主導権争いやマウンティングです。
溝口はメンバーに対して早々に優劣をつけ、最終日に選ばれるのは自分かケンジ、北村絵名の3名のうちの誰かと踏んでいました。なかでも自然とチームを仕切ろうとするケンジに対して、「気に食わない」「ジャマだ」と感じていたのです。船頭は自分ひとりで十分だ、ということなのでしょう。
溝口からの大人げない対抗心にうまく対処できないケンジは、エネルギーを奪われ、本来の実力を発揮することができません。ここからしばらく、ケンジの迷走が始まっていきます。







