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上場時の調達資金で成長を目指すのが目的ではなく、上場で創業者やベンチャーキャピタルが資金回収を図るのが主目的――。こういった新規公開は「上場ゴール」と呼ばれ投資家から批判されている。長期連載『スタートアップ最前線』で、2015年8月以降に上場したスタートアップを調査したところ、上場時初値と比べ株価が2割以上下落している企業は189社。このうち9割超下落したのは10社に上った。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
東証が「上場ゴール」を問題視
グロース市場の上場廃止ルール厳格化
高い成長期待を持たれる新興企業向けの株式市場である東証グロース市場。だが実際には、上場後に企業価値を高めることができない企業が少なくない。
こういった現状を問題視し、今年9月、東京証券取引所はグロース市場の上場維持基準の厳格化を決定した。これにより、上場から5年で株式時価総額が100億円に達しなければ、企業は上場廃止に追い込まれることになった。
上場時の調達資金で成長を目指すのが目的ではなく、上場で創業者やベンチャーキャピタルが資金回収を図るのが主目的――。こういった新規公開は「上場ゴール」と呼ばれ投資家から批判されている。
今回、ダイヤモンド編集部の調査で、2015年8月以降に上場したスタートアップのうち、実に4割強に当たる189社が、上場時初値と比べ株価が5割以上下落していることが判明した。
さらに、下落率が9割を超える深刻なケースも10社確認された。株価が10倍になった企業のことを“テンバガー”と呼ぶが、その対極といえる“逆テンバガー”が10社も見つかったのである。
「上場ゴール」が疑われるスタートアップはどこなのか?初値から大幅に株価が下落した全189社を、次ページで明らかにする。







