【銀行・証券】
金利・株価上昇で加速する再編と二極化
マイナス金利からの脱却により、銀行業界は金利上昇と再編の加速という二つの大きな局面を迎えている。
メガバンクは、投資銀行業務やアドバイザリー、M&A支援などの手数料ビジネス拡大で業績を下支えしている。一方で、ネット銀行の金利競争力が顕著となり、地方金融機関は新たな顧客基盤の拡大を模索している。改革には資本力が必要となるため、銀行合併などの再編も進むとみられる。
地方金融機関には、地域密着型の強みを生かした戦略が立てやすいという特性があるため、「地域密着×デジタル化」を両立できる人材が求められている。
世代交代に伴いオンラインバンキングやキャッシュレス利用が加速し、デジタル対応力が必要とされている。そのため、デジタルを使いこなす発想力と人間ならではのコミュニケーション力を兼ね備えた人材が重要になる。
証券業界で進む新潮流
対面とネットの二極化
証券業界は株式市場の好調を背景に、対面系証券の法人・富裕層向けサービスの向上と、ネット証券の個人ユーザーの拡大という二極構造が進んでいる。
対面系証券では、M&Aや資金調達支援などにおける交渉力・構想力といった「人間力×専門性」が競争優位の鍵となる。
日本企業の海外進出が活発となる中、対面系証券では金融知識に加え、英語力や国際交渉力を備えた人材の活躍の場が広がっていく。
ネット証券は、SNS戦略などを武器にマスマーケティングを展開している。金融と技術の融合(フィンテック)が進む時代にあって、ネット証券で培ったIT・マーケティングのスキルは他業界にも転用可能なため、キャリア形成において異業種転職もしやすい職域として注目されている。
(ピクテ・ジャパン 大槻奈那氏への取材を基に構成)









