生涯にわたる
キャリア自律を目指して
キャリア自律はさらに「仕事自律」と「学習自律」に分解できる(図表2参照)。「仕事自律」とは業務やタスクをこなすに当たり、ただ指示に従うのではなく自分なりのやり方を提示し、必要なリソースも自ら調達して結果を出すことだ。これからの時代、言われたことをやるだけの定型業務はAIなどに置き換わっていく。求められるのは、新しい視点からのアイデアや答えのない課題への創造的な対応だ。

仕事自律が現場における実践的な対応だとすれば、「学習自律」はより中長期的な視点での取り組みといえる。挑戦したい業務領域やレベルに照らして不足している知識やスキルを把握し、自主的にフォローアップしていくことだ。
シンクタンクの調査では、自分の成長を目指して行っている勤務先以外での学習・自己啓発の取り組みが、日本は世界の中でダントツに低いということが分かった(図表3参照)。別の調査では、自己啓発を行わない理由として「仕事が忙しくて時間が取れない」「自己啓発を行っても会社で評価されない」という回答が上位に来た。これから社会に出る就活生は、こうした傾向を反面教師と捉えてほしい。

なお、「適職選択」に当たって、あるいは「キャリア自律」を考えるに当たっては、客観的な第三者の意見がとても重要だ。繰り返しになるが、小さい頃からわが子の成長を見守ってきた親の役割が大きい。わが子はどんな性格なのか、何に興味を示すのか、強みはどこなのかについては、誰よりも詳しいはず。
また、自身の経験を踏まえながら、仕事とキャリアのリアルを子どもに伝えてほしい。









