【出発前の準備(1):タイヤ、滑り止め装備】

 まず冬のドライブでできるだけ装備しておきたいのが、スタッドレスタイヤ、もしくはオールシーズンタイヤです。

店頭に並ぶスタッドレスタイヤ冬のドライブにはスタッドレスタイヤやオールシーズンタイヤなど、冬用タイヤの装着が望ましい Photo:PIXTA

 こうした冬用タイヤについて、「雪国に出かけるわけじゃないから、そこまでは必要ないんじゃない?」と思われる方がいらっしゃるかもしれません。

 しかし先に述べたように、近年は雪が少ない地域でも、突然の大雪に見舞われることが増えています。そうした地域では、道路を除雪する能力が十分ではないため、雪が止んだあとも路面に長時間雪が残り続け、サマータイヤではスタックしてしまうことがあります。

 さらに除雪能力の小さいエリアの高速道路では、雪が降りはじめると早めに「冬用タイヤ規制」が行われることがあります。この規制が行われると、サマータイヤでの走行はできなくなります。

高速道路の「冬用タイヤ規制」高速道路の「冬用タイヤ規制」では、SA/PAなどにクルマを誘導し、適合するタイヤを装着しているかのチェックが行われることもある Photo by Y.U.

 また峠越えを含むドライブルートでは、夜間の雨と風による放射冷却で、雪が降っていなくても滑りやすい路面になることがあります。サマータイヤは低温ではゴムが硬化しやすいので、こうした路面ではグリップが低下し、事故のリスクが高くなります。

 こうしたことから、冬のドライブには、スタッドレスタイヤやオールシーズンタイヤの装着が推奨されるのです。

 もし冬用タイヤを装着する時間がない、もしくは予算的に厳しい場合でも、万一の備えとしてタイヤチェーンなど「滑り止め」を必ず携行しましょう。

布製の滑り止め布製の滑り止めを使うクルマも増えてきた。コンパクトに収納できること、装着が簡単なのがメリットだが、乾燥路での使用では摩耗が進みやすい Photo by Y.U.