シェ 数年前に、日本に住んでいる親戚と参拝しました。子どもたちの幸せと健康を祈願しましたよ。
佐藤 「金運向上」「仕事運向上」といった直接的な現世利益を祈願するのは、日本だけの現象でしょうか。
シェ 「商売繁盛」はアジアの国々ではよく祈願されていると思います。キリスト教の宗派の中には、富を追求することに対して肯定的な宗派もありますが、確かにキリスト教の信者は教会で「金運向上」を祈願しないですね。
日本の人々が、「仕事運向上」や「商売繁盛」などを神社で祈願するのは、スピリチュアリティが日常生活の中に溶け込んでいるからではないでしょうか。公園に行くのと同じような感覚で神社に行きますし、万物に神が宿るという考え方がとても身近なものになっているからこそ、神様に対して気軽に実利的な祈願をするのだと思います。
佐藤 人知を超越する存在とつながりを感じたり、神社で祈願したりすることは、どのような利益をもたらすと思いますか。
シェ 私たちの授業でも「グラウンディング」(自然、周りの人々、自分の内面とつながりを感じること)を実践する時間を設けていますが、つながりを感じるエクササイズやイベントにはさまざまなメリットがあります。
まず「人知を超えた存在」に対して祈願すれば、より大きな視点から現実の世界を見ることになりますよね。また、そうした存在とつながりを感じることによって、エネルギーが湧いたり、希望を持ったりする人もいるでしょう。
さらに、自分は決して孤独ではないことを思い起こさせてくれる効果もあると思います。
例えば、私が子どもたちの未来の幸福を祈ったように、日本の神社では、自分だけではなく家族の幸せを願いますよね。神社や寺院は、人知を超えた存在だけではなく、周りの人々や自然とのつながりを実感する場でもあると思います。
神道・仏教由来の慣習が
企業にもたらす“ご利益”とは
佐藤 日本企業のオフィスや工場には必ずといってよいほど神棚がありますし、日本企業には初詣、事務所移転のお祓い、地鎮祭など数多くの定例行事があります。こうした慣習は、どのような「ご利益」をもたらしていると思いますか。







