ところが日産はバブル景気が崩壊した90年代に経営危機に陥る。99年に仏ルノーの出資を仰ぐこととなり、カルロス・ゴーン氏がトップに就く。2001年にはゴーン氏による社内コンペで、ロゴはシルバーで立体的なものに刷新された。
ゴーン体制下で大リストラによるV字回復が済むと、新興国市場の開拓・拡大に目が向けられたことで2014年にDATSUNブランドが復活した。そのロゴマークは力強いデザインだったが、結局、新興国への拡大戦略は失速した。
そして18年にゴーン氏が逮捕されたことで長期体制が終焉を迎えると、日産は再び凋落していく。経営の混乱が続く中で、20年7月にはブランドロゴを刷新(現行のもの)。「デジタルとの親和性を高める」が狙いで、二次元(立体的ではなくフラット)のシンプルなデザインだ。
日産のロゴ
一方で、日産は再び22年にダットサンブランドを廃止。一時的な復活を経てその役割を終えた。
このように、日産のブランド戦略の象徴としてのロゴ・エンブレムの変遷は、経営の浮き沈みとリンクするところがある。なお、SNS時代になって自動車メーカーがロゴをフラット化した例では、フォルクスワーゲンやBMWも同様だ。余分な装飾を省いて立体感をなくすことで、スマホのような小さな画面でも視認性を高める効果がある。
老舗企業ほど、ブランドやロゴを変えるとファンの受け止め方もさまざまだ。結局のところロゴやエンブレムを変える狙いは、ブランド力を向上させることに尽きる。エスピノーサ体制下の日産は再生できるのか、ホンダの四輪車事業も浮上するのか、その行方を見守りたい。








