ホンダの新旧ロゴホンダの「Hマーク」、右が26年ぶりに刷新するもの

ホンダが26年ぶりにロゴを刷新した。創業者・本田宗一郎の名言も振り返りながら、自動車メーカーにおけるブランドやロゴ・エンブレムの変遷について考察したい。ロゴを変える流れが経営の浮き沈みとリンクする自動車メーカーといえば、あの会社だ。(佃モビリティ総研代表 佃 義夫)

ホンダが「Hマーク」を刷新
本田宗一郎氏の「原点回帰」か

 ホンダが四輪車のロゴ、「Hマーク」を26年ぶりに刷新すると発表した。海外に行くと、ホンダのHマークは韓国・現代自動車(ヒョンデ)のロゴマークと似通っており、紛らわしいと感じていたのは筆者だけではないはず。新ロゴが日本車と韓国車の違いを明確にしてくれることを願う。

 新ロゴをよく見ると、従来のものに比べて、両手を広げたような形状だ。これは、「モビリティの可能性を広げ、ユーザーに向き合う姿勢」を示しているという。「第二の創業期」の象徴として、次世代の電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)、燃料電池自動車(FCEV)、さらにモータースポーツ車にも新ロゴを使っていく。

 これに連動するかのように、ホンダは5度目のF1復帰を発表した。三部敏宏社長は「F1の挑戦の根底には、創業者・本田宗一郎の思いがある。ホンダの挑戦のDNAだ」と強調した。今後、ホンダ・レーシングブランドを冠した量産車を順次投入する方針だ。

 筆者の新ロゴの印象も、1936年にホンダが四輪車に進出した際のHマークに原点回帰した感を受けた。本田宗一郎氏が「世界を目指す日本企業」を念頭に、日本の楽器である三味線をモチーフに採用したマークだ。当時、本田宗一郎氏はHマークについてこう語っている。

「世の中には形は3つしかない。丸と三角と四角だよ。丸は円満、三角は革新を連想させるよな。四角は堅実な感じがするだろう」

「企業の経営もそうだ。円満だけでは会社は潰れる。革新だけを追うのも危険だ。やはり基本は堅実。その上で時代の動きをよく見て、円満さや革新を上手に適量混ぜ合わせることが大事なんだよ」

 本田宗一郎氏は何度か取材したことがある。がむしゃらで挑戦が好き、三味線を嗜む芸者も好きで洒落た、宗一郎さんらしい名言だなあと思い出す。

 すでにSNS上では新ロゴへの反響が多数寄せられている。期待する声が多い一方で、ホンダの新車は魅力的なものが少ない、四輪事業の赤字が定着しているなどの低迷を叱咤する声もある。

 何しろ、近年のホンダの稼ぎ頭は二輪車である。二輪車の「ウイングマーク」は変わらない。ロゴ刷新に合わせて四輪車事業が浮上すれば、社内は御の字であろう。

ホンダ「Hマーク」刷新で振り返る、ロゴ変更と経営の浮き沈みがリンクした自動車メーカーの名前とはウイングマーク

 自動車メーカーは、ロゴ・エンブレムが企業名・ブランド名の象徴となっている。ロゴを変える流れが経営の浮き沈みとリンクするケースといえば、あの会社だ。ブランドの栄枯盛衰を考察していこう。