LGBTQの理解促進――「となりの多様性 ちがいを知って、ちがいに寄り添う」ことの大切さを考える

さまざまな人があらゆる働き方をする社会――「個」「一人ひとり」「多様性」という言葉が、HR(ヒューマンリソース)の領域で目立つ時代になっている。フリーアドレスの職場も増えるなか、となりに座った人がどういう人なのか、新卒・中途採用で入社した人がどのような働きづらさを感じているのか……“他者の思いに気づき、考えを知ること”が、ハラスメントを生まないためにも、誰もが働きやすい環境をつくるためにも大切だ。「となりの多様性 ちがいを知って、ちがいに寄り添う」と題された、メガバンク合同主催イベントの様子を「HRオンライン」がレポートする。(ダイヤモンド社 人材開発編集部)

3社グループの合同主催イベントがスタート!

 昨年(2025年)11月、SMBCグループ、みずほフィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループの合同主催イベントがオンライン(ウェビナー形式)で行われた。これは、3社グループに勤務する社員を対象に(*1)、 “PRIDEプロジェクト”として毎年開催されているもので、今回のタイトルは、「となりの多様性 ちがいを知って、ちがいに寄り添う」――LGBTQの理解促進がテーマだ。

*1 参加は任意で、社員のほか、その家族、友人も対象にしている。

 開催は、就業時間外の平日夜。75分間のプログラムが組まれ、三菱UFJ銀行本社内からの配信だ。開始1時間前には、テレビ局の動画撮影スタジオさながらに複数のカメラと音響機材が並べられ、スタッフが慌ただしく行き交っていた。そして、その周りで、イベントの始まりを待つ3社グループのDE&I推進担当者が談話している。

 今回のプログラムの特徴は、LGBTQの当事者が登壇することだった。一般的に、こうしたイベントには名の知れた有識者が登壇するものだが、配信会場に現れたのは、“となりの席で働くような人”――イベントの告知にも名前は明かされていない。

 ファシリテーターは、株式会社Nijiリクルーティング(*2)代表取締役社長の齋藤敦さん。齋藤さんは、常日頃から多くのLGBTQの当事者とつながりがあり、広く深い知見をベースに、さまざまな企業のDE&I支援(協業)を行っている。

*2 株式会社Nijiリクルーティングは、LGBTQに専門特化した、研修/コンサルティング/人材紹介などのサービスを提供している。

 定刻にディレクターからキューが出され、3社グループ合同主催イベント「となりの多様性 ちがいを知って、ちがいに寄り添う」がスタートした。

 まず、カメラが、SMBCグループ、みずほフィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループのイベント担当者をひとつの画面に映し出した。各グループひとりずつが横並びになったスリーショットに、このイベントが「合同プロジェクト」であることを筆者は改めて認識し、所属企業を問わずに、多数の視聴者が画面を見つめている様子を思い描いた。

 続いて、3社グループを代表して、上場(かんば)庸江さん(株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ 株式会社三菱UFJ銀行 人事部部長兼ダイバーシティ推進室長)の挨拶があった。LGBTQの理解につながる企画を、これまで、3社グループが協力して実施してきたこと、今回の開催に至る事務局の尽力、そして、イベントスタッフと登壇者への感謝の意を、ゆっくりと、はっきりした口調で伝えていく。

 上場さんの言葉の中で、筆者が特に印象に残ったのは、職場には、誰もがその人らしい姿であり続けるための「居場所」と、その人らしさを発揮する「舞台」が必要だということ。「居場所と舞台が組織の持続的成長に欠かせない」と、上場さんは明言し、「今回のイベントを通じて、すべての方が活躍する、生き生きとした職場をつくっていきたい」と、挨拶の言葉を結んだ。