偶然仲良くなった
「外国人の友達」の正体
まず、前提知識を整理する。今回のように人を情報源として、そこから得た知見を軍事戦略などに生かす手法を「HUMINT(ヒューマン・インテリジェンス)」という。
HUMINTは伝統ある情報収集手段であり、スパイを「人類最古の職業の一つ」とする説もある(古代エジプトでも諜報活動が行われていたとされる)。
だが、科学技術が進歩するにつれて、無線通信やレーダー波を傍受する「SIGINT(シグナル・インテリジェンス)」、偵察衛星が地表を監視する「IMINT(イメージ・インテリジェンス)」の重要性が高まってきた。
そのため、従来はHUMINTを行う人物をスパイと呼ぶことが一般的だったが、昨今は上記のような技術を駆使して情報を得る者をスパイと呼ぶ例も増えた。
とはいえ、「人の頭の中を覗き見る」という点ではHUMINTに敵う手段はない。
HUMINTは人を情報源にする活動なので、人が人と会って話を聞くことが基本になる。流れとしては、機密情報が手に入る立場の人物や、何らかの専門技術を持つ人物を見つけるところから始まる。
先述した展示会や学会での名刺交換は最高のシチュエーションだ。ターゲットの立場や専門性が一目で分かるほか、この人物を落とせば、欲しい情報やスキルが手に入ることが約束される。
ターゲットの目星をつけた後は、SNSへの投稿や退勤後の立ち寄り先などを調べる「基礎調査」を実施。趣味・嗜好を暴いていく。そして機会接触の際に、あたかも「偶然の一致」かのように、お互いに共通項があることを少しだけ匂わせる。







