30年間で107人、31億円は「少ない」
今回明らかになった不適切行為は、30年以上にわたる累計である。プルデンシャル生命のライフプランナーは25年4月1日時点で4329人いる(※1)。なお、2005年時には約3000人は存在していた(※2)。重要なのは、「常時これだけ多くの営業社員が存在している」という点だ。
※1 プルデンシャル生命ホームページより
※2 2005年時の数は『プロフェショナルセールスマン』(神谷竜太著、プレジデント社)より
一般論として、1000人規模の組織であれば、「まともな会社」であっても、毎年数人は何らかの問題行為を起こす。営業組織であれば、次のような事例は決して珍しくない。
●顧客情報の不適切利用
●顧客との不健全な関係(金銭関係や情実等)
●顧客先の物品等の窃盗
●禁止されている効果保証
●転退職時の機密情報も持ち込み、持ち出し
●循環取引
●いわゆる「自爆営業」(ノルマ達成のために、営業担当者が自社の商品を自腹で買い取ること)
特定の拠点や部門に歪みがあれば、関与人数が一気に数十人規模にふくらむこともある。
この前提に立てば、30年間で107人という数字は、「多い」とまでは言えない。法人営業だけでなく、企業というハードルがなく、直接顧客にアクセスできるという意味で、事故の発生しやすい個人向け営業に傾注している会社と考えれば“むしろ少ない”と言ってもいい。会社の説明によれば、地域的・組織的な偏在も確認されていない。
金額についても同様だ。31億円という数字は大きく見えるが、金融業界の不祥事は単価が大きくなりがちである。過去には、生保営業員の1人の単一事案で17億円規模の被害が生じた例もある。数千万円から数億円程度であれば、珍しい話ではないというか、多くの会社で定期的に発生している。
仮に1年に1件、そこそこの規模の事案が起きれば、30年で30億円程度は容易に積み上がる。冷静に見れば、特別に突出した水準とは言いがたい(もちろんだから許されるという意味ではない)。







