問われるべきは「次のモデル」

 記者会見では、「成果偏重の見直し」などが語られた。

 だが、最も重要な問い――「次のビジネスモデルは何か」については、語られなかった(実は何度も、既存のビジネスモデルの限界といったコメントが会社側から出ていたのに、「では、これからどのようなモデルを目指すのか」とはマスコミは誰も聞かなかった)。それも無理はない。もし答えがあれば、すでにビジネスモデルの移行は始まっていたはずだからだ。

 プルデンシャル生命は、悪い会社だったというよりも、成功したモデルを、成功したがゆえに変えられなかった会社である。これは成熟企業に共通する、極めて典型的な失敗である。

 よって、私たちが学ぶべき教訓は、「倫理的であれ」という精神論ではない。環境が変化したとき、ビジネスモデルを適応させられなければ、どんな優良企業でも同じ道をたどる。それこそが、今回の問題の核心である。

 今、プルデンシャル生命に求められているのはインセンティブ体系の多少の見直しや倫理研修の強化(だけ)ではない。 それは無駄とは言わないが、もっとも重要なのは持続可能な「次のモデル」を構築できるかどうか――それに尽きる。

 記者会見を見る限り、幸い、同社はその認識をしっかり持っていることがうかがえる。しかし、既存モデルが強固であればあるほど、その転換は一筋縄ではいかない。前途は多難である。