注目は、4月1日付の組織・人事で三部社長が新設の「企業変革責任者」に就き、自ら変革を担うことだ。また、本田技術研究所社長に秋和利祐執行役四輪開発本部長が就任する。秋和氏は、かねてホンダ次期社長の有力候補だ。就任6年目となる三部社長が“背水の陣”で、四輪事業の黒字化への道筋を示せるか、正念場を迎える。
古希を迎える豊田章男会長
長男に座を「禅譲」する布石か
トヨタの社長交代劇に話を戻すと、固有の事情も垣間見える。5月3日に70歳、古希を迎える豊田章男会長が、長男の豊田大輔氏にトヨタおよびトヨタグループ総帥としての座を「禅譲」する布石だと筆者は見る。
1988年生まれ・37歳の豊田大輔氏は、2016年にトヨタに入社し、トヨタの実験都市「ウーブン・シティ」での運営責任者として修行を積んでいる(現在はウーブン・バイ・トヨタのシニアバイスプレジデントの役職)。近トヨタ新社長は、ウーブンで大輔氏の後見役を務めてきた。近氏がトヨタ社長となることで、近く豊田大輔氏がトヨタ本体で要職に復帰する可能性は高い。
「トヨタ1強」が強まるのは
ホンダと日産の沈下に責任あり
ところで、決算および自工会会長人事などからしても「トヨタ1強」の構図がより鮮明になるのは、トヨタに対抗するはずのホンダ、日産の地盤沈下が甚だしいからとも言える。
かねて日本の自動車産業をリードしてきたのはトヨタと日産だった。国内市場の成長を牽引し、輸出による貿易摩擦を対応したリーダーも「TとN」だった。
1期2年の自工会の会長職にしても、1990年代までトヨタと日産が交互に務めてきた。が、日産が経営不振で仏ルノーと資本提携したことで、2000年代に入り自工会会長職にホンダが加わり、「T・H・N」の3社交代制となった。ホンダは、自工会の会長職のために自社に会長職を設けて対応したほどだ。







