ウクライナの無人水上艇「MAGURA V5」「V6」「V7」 Photo:Global Images Ukraine/gettyimages
中東でも“ドローン戦”の様相
ウクライナ軍は水上無人機で戦果
米国とイスラエルによるイラン攻撃は、イランが周辺諸国にある米軍基地や関連施設への攻撃を名目に反撃に転じて戦火が拡大、中東地域全体が緊迫する状況だ。
トランプ大統領は、イランの制空権を掌握したとして有利な情勢を強調するが、イラン側は反撃を続けている。戦闘機やミサイルなどの圧倒的な武力で攻撃する米軍とイスラエル軍に対し、「非対称戦」でイランが反撃の武器とするのは、無人航空機(ドローン:UAV)だ。
「シャヘド」と呼ばれるイラン製ドローンは、大型の製造施設や専用の発射車両はいらず簡単に組み立てられる。命中精度はよく低コストなので、大量保有も可能だ。
戦闘機や弾道ミサイルなどが威力はあるものの、巨額の費用がかかり発射や攻撃などに大がかりなインフラが必要ななかで、ドローンは機動性に富む安上がりな武器として重宝されるようになり、今回、米軍も初めてドローンを使用したとされている。
2022年2月にロシアの侵攻から5年目に入ったウクライナの戦場でも、ドローンが双方の大きな武器になっている。
とりわけウクライナ軍は、ロシアとの戦力差を埋める手段として無人航空機を情報収集・偵察から攻撃まで広く活用し、現在のUAV生産機数は月産20万に及ぶとみられている。これに触発されたロシアも、UAVの大量生産に乗り出している。
注目されるのは、こうした無人機の活用が水上に広がっていることだ。
24年10月にウクライナ軍が、ロシア支配下のセバストポリ軍港を攻撃し、海軍艦艇を損傷させ石油施設を炎上させるのに成功したが、この時が水上無人機(USV)を使った初めての攻撃だった。
その後も、ウクライナ海軍は陸軍以上にロシアとの戦力格差が大きいなか、黒海各地でUSVを使ったロシア軍攻撃を繰り返している。24年12月に米国製対空ミサイル(赤外線誘導式)を搭載したウクライナのUSVが軍用ヘリコプターを撃墜し、25年5月には黒海沿岸ノボロシスク近海でUSVがロシア空軍のスホーイ戦闘機2機を撃墜した。これは世界初のUSVによる戦闘機撃墜だった。
USVは軍事用だけでなく、民生用でも活用実験などが始まっている。しかもUSVの基盤技術となる無人船舶運航の技術は、日本が世界を主導する。日本の製造業復活の種になる可能性もある。







