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米国イラン和平交渉中断、双方の主張に隔たり
原油“価格ショック”の業種別影響を試算
米国、イスラエルとイランは4月7日、パキスタンの仲介により2週間の条件付き停戦で合意、11日からはイスラマバードで米国とイランの間で和平交渉が行われた。しかし、合意には至らず、バンス副大統領がイランに「最終かつ最善の提案」を残して帰国し、再開をめぐり水面下の綱引きが行われている。
報道によれば、交渉のたたき台として、イラン側は制裁解除、凍結資産へのアクセス、戦争被害に対する補償、ホルムズ海峡の通航管理、ウラン濃縮の権利承認などを含む提案を示している。
これに対して、米国は濃縮ウランの引き渡しや核兵器開発放棄の恒久的な誓約、ホルムズ海峡の自由な航行などを提案している。
双方の主張や停戦条件は内容としては全く折り合っていない状況で、わずか1日での交渉中断はそれを露呈した。停戦期間の2週間で交渉が円滑に進むかどうかはなお見通せない。
ホルムズ海峡の実質封鎖が解除に至るかは今後の交渉次第だが、仮に開通に至ったとしても価格ショックの影響は今後も残りそうだ。
原油価格はイラン攻撃以降急騰し、特に日本の輸入原油の価格に相当する中東産ドバイ原油価格は一時160ドル/バレルを超え、米国のWTI原油先物価格とも大きく乖離する展開となった。両者のスプレッドは落ち着きつつあるとはいえ、中東情勢の不透明感から原油価格の高止まりが予想される。
WTI先物価格が1バレル100ドルでの推移が続いた場合、実質GDPへの押し下げ圧力は▲0.38%程度となる(ベースライン対比、1年目)が、各産業製品の値上がりが広範に予想される。
業種別の“価格ショック”を試算すると、ガス・熱供給や電気などの価格上昇圧力が大きいが、それが、化学肥料や石油化学系基礎製品の値上がりにつながり、さらに農産品や包装材・容器など日用品の価格上昇圧力も徐々に顕在化していく可能性が高い。







