wireless space war:
ワイヤレス宇宙戦争

激化する衛星コンステレーション競争、スペースXの牙城にアマゾンが攻め込む

 世界最大規模の衛星コンステレーション(satellite constellation)「スターリンク」を築き上げ、宇宙通信で覇権を握ってきた米スペースX。ここにきて強力な競争相手が現れた。米アマゾン・ドット・コムだ。

 アマゾンは4月中旬、116億ドル(約1兆8000億円)を投じて米衛星通信会社グローバルスターを買収する計画を発表。独自の衛星コンステレーション「アマゾン・レオ(Amazon Leo)」を強化し、スターリンクに対抗していくのが狙いだ。

 アマゾンにとって今回の買収が魅力的なのは、貴重な周波数帯域(spectrum)ライセンスに加えて、「D2D(direct-to-device)」サービスが手に入るということだ。

 ユーザーは自宅屋根に専用アンテナを設置しなくても、自分のスマートフォンで直接衛星につながる――これがD2Dだ。衛星が基地局として機能することから、「空飛ぶ基地局(cell tower in the sky)」とも呼ばれる。

 米「ウォール・ストリート・ジャーナル」紙には「ワイヤレス宇宙戦争(wireless space war)」という大見出しが躍った。宇宙を舞台にして米ビッグテック2社がぶつかり合うという構図だ(スペースXは株式上場すればビッグテックの一角に加わるとみられている)。

 アマゾンのパノス・パネイ上級副社長はグローバルスター買収について声明を出し、「既存ネットワークにアクセスできない数十億人にサービスを届け、デジタルデバイドを解消する」と宣言した。