新車販売ランキングでトヨタに次ぐ2位に入った「躍進企業」の名前マルチ・スズキは現在もインド市場で圧倒的なシェアを誇る。2006年撮影 Photo:The India Today Group/gettyimages

 このスズキの躍進は、インド工場産のクルマを日本に導入する、“逆輸入車”が好調な売れ行きを示しているから。スズキはかねてインド生産体制を増強、輸出基地とし、グローバル販売を積極的に進めてきた。

 その一環として、24年10月からインド産コンパクトSUV「フロンクス」、25年4月には「ジムニーノマド」を日本で発売し、好評を博している。特に、ジムニーノマドは一時、受注停止となったほど大人気だ。

「グローバルで遜色のない品質づくり」を掲げるスズキは、同社初となる量産バッテリー電気自動車(BEV)の「eビターラ」もインドで生産する。日本では今年1月から販売開始した。次世代カーといえばマザー工場、つまり日本で開発・生産するのが日本メーカーのテーゼと言えるが、スズキは一味違うようだ。インド・グジャラート州の工場に年産25万台のBEV専用ラインを建設中で、26年秋に稼働し、eビターラを増産する予定だ。

 かつて日米貿易摩擦の時代(1980年代後半~90年代)には、米国からの逆輸入車が脚光を浴びた。時を経て、現在はいわゆるトランプ関税への対応策として、トヨタやホンダ、日産などが再び米国産の逆輸入車を増やそうとしている。しかしながら今の日本市場で、米国からの逆輸入車がどれだけ購入されるかは正直、未知数だ。

 それだけに、スズキのインド産車が日本市場でどれほど伸びるかには期待がかかる。