流通・小売り フロントラインPhoto:JIJI

家電量販店業界に「巨大連合」が誕生する。6月5日、ヤマダホールディングスとエディオンは、経営統合に向けて基本合意したことを発表した。なぜ今、2社は経営統合へとかじを切ったのか。連載『流通・小売り フロントライン』の本稿では、エディオンがヤマダの提案を受け入れた事情と両社を待ち受ける難路を解説する。(ダイヤモンド編集部 下本菜実)

経営統合の提案はヤマダから
基本方針は「対等合併」を強調

 家電量販店業界の“王者”が、ついに業界再編へと動いた。

 6月5日、ヤマダホールディングス(HD)とエディオンは、経営統合に向けて基本合意をしたと発表した。同日、ヤマダHD代表取締役会長兼CEO(最高経営責任者)の山田昇氏と、エディオン代表取締役会長執行役員CEOの久保允誉氏はそろって記者会見に出席。これまで激しいシェア争いを繰り広げてきた両社トップが手を握り、共闘を誓った瞬間だった。

 2社は2027年10月に持ち株会社を設立し、ヤマダHDとエディオンを完全子会社とする。新会社の会長には山田氏が、社長には久保氏が就任する予定だ。

 記者会見で久保氏が、「(経営統合については)25年4月に、ヤマダHDから申し出があった」と明かしたように、再編を主導したのは業界首位のヤマダHDだった。ただし、山田氏は経営統合の基本方針として「対等合併」であることを強調。新会社の社名は両社の社名とは異なるものとし、役員はHDとエディオンから同数を出すという。

 26年3月期の連結売上高はヤマダHDが1兆6918億円、エディオンは7937億円だった。単純合算すると、約2.5兆円の売り上げ規模となり、家電量販店業界で圧倒的1位に躍り出ることになる(下図参照)。

 ヤマダHDは経営統合という、大きな一手を指した。家電量販店業界で圧倒的1位となり、両社は盤石な経営基盤を手にしたと捉えられる。ただし、業界関係者は「両社の合併は、そう簡単にはいかないだろう」と懸念する。その要因は何なのか。次ページでは、経営統合の狙いとともに、家電量販の“王者”であるヤマダHDが置かれている状況と、2社を待ち受ける“難路”について解説する。