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世界的なAI・半導体投資を追い風に、韓国では株価と輸出が急伸している。企業統治改革も「コリアディスカウント」の解消を後押しする一方、ウォン安や物価高、不動産価格と家計債務の膨張が国民生活を圧迫する。巨額の産業投資は、半導体に偏る「K字型経済」を転換できるのか。(第一ライフ資産運用経済研究所主席エコノミスト 西濵 徹)
KOSPI最高値を支える半導体株と市場改革
止まらぬウォン安との落差
年明け以降、KOSPI(韓国総合株価指数)が急上昇し、6月半ばには一時最高値を更新するなど、韓国金融市場は活況を呈してきた。世界的なAI(人工知能)・半導体関連投資の活発化を追い風に、時価総額上位の半導体関連株の上昇が相場をけん引している。
株価上昇の背景には、同国でここ数年にわたり株式市場改革が進められてきたこともある。尹錫悦(ユン・ソンニョル)前政権は、2023年から政府主導によるコーポレートガバナンス(企業統治)改革を実施した。
25年に発足した李在明(イ・ジェミョン)政権は、この取り組みを継承しつつ、韓国企業の相対的な低評価、いわゆる「コリアディスカウント」の解消に向け、商法改正をはじめとする施策を強化した。
具体的には、取締役に対し、企業だけでなくすべての株主に対する受託責任や説明責任を求めるとともに、財閥企業においてオーナーなどの大株主を優遇する不合理な合併やスピンオフを抑制し、少数株主の利益を保護するための制度整備が進められた。
また、アクティビスト(物言う株主)や個人投資家が、企業の意思決定に関与しやすい環境の整備も進められた。
一方、若年層を中心とする個人投資家は、外国株など海外資産への投資を拡大させている。これがウォン安圧力を強める一因となるなど、株価と通貨は対照的な動きをみせている。
当局はウォン安の阻止に向け、NDF(ノン・デリバラブル・フォワード)取引の監視を強化する方針を明らかにした。こうした当局の対応は、指数算出会社のMSCIが同国の市場区分を「新興国」に据え置く一因となっている。
次ページでは、韓国経済のファンダメンタルズを分析していく。









