ヨルダンでイラン軍の攻撃により死亡した米軍兵士の厳粛な遺体移送式に出席するためドーバー空軍基地へ向かう際に会見に応じるトランプ大統領ヨルダンでイラン軍の攻撃により死亡した米軍兵士の厳粛な遺体移送式に出席するためドーバー空軍基地へ向かう際に会見に応じるトランプ大統領=7月22日、メリーランド州アンドリュース合同基地で Photo:Kevin Dietsch/gettyimages

2025年の成長率、0.75Pt下押しの試算
26年は2%成長維持もイラン攻撃で下振れ幅拡大!?

 イランとの停戦・和平協議が難航する中、トランプ大統領は7月4日、ワシントンで催された米国の建国250年を祝う演説で、自身の実績をアピールしつつ「米国はかつてなく強く自由で豊かで誇り高い」と語り、今は黄金時代の幕開けに過ぎない、とうたってみせた。

 だがトランプ第2期政権の下で、米国経済はその無責任かつ気紛れな政策によって少なからぬマイナス効果を被ってきたといえる。建国以来、南北戦争時に次ぐ深刻な分断の時代にあって、大統領支持率も、直近では35%と、史上最低レベルに落ち込んでいる。

 トランプ大統領が「経済再生」策として、第2期政権で打ち出してきたのが、「相互関税」などの高関税政策や移民流入の規制強化、脱炭素化政策の転換、国際機関からの脱出、対外援助の削減など、「米国第一主義」の下での投資や雇用の拡大策だった。

 だがトランプ関税は価格への転嫁を通じて国内物価上昇の要因となり、一方で米国への他国からの投資は目立った増加にはなっていない。移民規制強化も人手不足やインフレを助長するマイナス効果のほうが大きい。

 だが数多くの「トランプ失政」にもかかわらず、米国経済は堅調なペースを保って拡大中であり、今年の成長率も財政支出やAI投資などを背景に昨年の2.2%に続いて2%台を維持する、との見方が大勢だ。

 ただ、逆に言えば「失政がなければ3%近い成長が見込めたかもしれない」との見方も成り立つ。

 トランプ大統領の再登板による期待利益の損失は小さくなかった、と見る英エコノミスト誌は「経済的失策は2025年の米国の成長率を0.75ポイント引き下げた」と試算している。

 その「想定下振れ幅」は、イラン戦争にのめり込んだ26年は、さらに拡大中だとみてよいだろう。

 和平協議が暗礁に乗り上げ、米国中央軍が22日には12夜連続でイランを空爆、一方でイラン側も周辺国の米軍基地やインフラを攻撃するなど、再び全面戦争に逆戻りするリスクが高まる中で、失政による成長への下押し圧力は軽視できないものになるだろう。