宇宙の商業化が現実となり設定当初と比べ成長率は3倍に
今後は新たな宇宙ビジネスの比重を高めていく
――投資先が4つのグループに分類されています。その意味を教えてください。
クーニャ 運用戦略として、安定的な企業からスタートし、時間をかけて成長の速い企業の比重を高めていこうと考えました。そのために、組入銘柄を4つのグループに分けています。
グループ1と2は安定的、伝統的な企業群です。グループ1は衛星の製造やロケット打ち上げ、航空宇宙・防衛関連などが典型的ですが、部品サプライヤーも含みます。グループ2は宇宙データの関連企業で、半導体関連も含まれます。
グループ3は宇宙産業を支える関連サービス、グループ4が新興テクノロジーの関連銘柄です。先ほど言ったように、ここ3〜4年で宇宙の商業化が現実のものとなり、これらの企業収益が高まった結果が、投資信託の運用成績という形で表れています。
グループ1から4に向かって、組入企業の成長が速くなるという想定です。現在は半導体が含まれるグループ2の成長が速いので、それからややずれていますが、全体としては2018年の設定当初と比べ、3年間の市場予測ベースで売上高と収益の成長率が約3倍です。これは、私たちが目指してきたことを実現できている証拠です。
――グループ2と3には、一般的な宇宙関連のイメージではない企業も含まれています。そうした銘柄を組み入れる場合の考え方は?
クーニャ “宇宙関連度”という点では、確かにグループ2や3は、やや薄くなります。しかし、半導体は衛星技術をはじめとして宇宙産業に不可欠な要素です。またグループ3でも、地理空間情報や、5G、IoTなどは、その根源や要素、アイデアが宇宙に由来するか、宇宙に関わるものです。あくまで宇宙テクノロジーの投資信託であり、宇宙から生まれる次世代のテクノロジーを探しているのです。
一方グループ4は非常に宇宙色が強く、軌道上コンピューティング、宇宙旅行、宇宙資源開発、深宇宙探査などが含まれます。まさに“宇宙そのもの”です。今後、グループ4の比重が高まるにつれ、全体の“宇宙関連度”はより濃くなっていくでしょう。
宇宙は“利益を生み出す”分野に変貌した
スペースXの上場も宇宙経済圏を活性化させる
――今組み入れている銘柄、あるいは過去に組み入れていた銘柄で、印象的な企業を教えてください。
クーニャ ロケット・ラブ(RKLB)は、上場間もないときからずっと注目してきた企業で、投資信託の成績にも貢献しています。何度も企業訪問し、この3週間でも2回、製造施設を訪れました。3Dプリンティングでエンジン全体を製造する能力を持ち、それが格段に進歩していることを確認できました。スペースX(SPCX)と競合するとみられていますが、実は収益の多くが衛星の部品やシステムからです。いずれ衛星の中にコンピュータを組み込み、AIインフラ整備の一翼を担うことになるでしょう。
――スペースXについてはどう評価していますか。
クーニャ スペースXの上場は、投資信託の設定時から楽しみだったイベントの1つです。同社自体も素晴らしい企業ですが、その上場が宇宙経済圏に与える影響に期待しています。個人投資家も機関投資家も、宇宙の商業化に対する確信度を高めることになると思います。関連する多くの企業にとって支援材料となるでしょう。スペースXについては上場後のロックアップの解除など、注視が必要な点もありますが、私たちの投資信託の投資対象にも入ります。
――日本で注目する企業はありますか。
クーニャ 現時点では大手企業ですね。日本の政権は宇宙開発と防衛を重要視していますが、その資金はまず大手に流れるため、相対的に成長の確信度が高くなります。もちろん新興企業もウォッチを続けており、確信度が高まってくればそれらに投資する可能性もあります。
――2018年の設定から現在までに、宇宙産業にはどういう変化がありましたか。
クーニャ 8年前、宇宙は政府が独占し、衛星は非常に大きく高価でした。それが今は、再使用可能なロケットや新しいテクノロジーが登場して、打ち上げのコストも衛星製造のコストも劇的に下がっています。打ち上げの頻度が増え、宇宙に存在する衛星の数が大幅に増えました。かつて政府のコストセンターでお金を稼げなかった分野が、利益を生み出すプロフィットセンターになったのです。
今後についても強気にみています。防衛という側面もありますが、それよりも期待が大きいのは商業面です。
これは、宇宙がどれだけ多くのデータを生み出しているかと深く関係します。地球観測や通信などで、宇宙からペタバイト単位*のデータが降り注いでいます。さらにこれがAIと融合することで、宇宙関連の一部の企業にとって次の成長ドライバーになると思います。例えば、農業や気候変動、物流などで、宇宙から得たデータにAIによる分析を加えた情報を販売することができます。
これは一例ですが、宇宙が現実の企業収益に結び付くようになった、ということです。今、私たちは構造的な成長の大波に乗っているのです。
*1ペタバイトは100万ギガバイトに相当。
◆世界株部門 最優秀賞(テーマ)
「東京海上・宇宙関連株式ファンド(為替ヘッジなし)」とは
宇宙ビジネス関連株、および宇宙と関わりが深い防衛関連株に投資する。成績は1年・3年・5年のどの期間で見ても世界株指数を大幅に上回る。テーマ型投資信託の特性として値動きはやや大きめだが、最大下落率は世界株指数よりも小さく、安定性も良好だ。大手企業から新興企業までバランスよく投資する運用戦略は、投資信託のプロからも高い評価を得ている。
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本記事は2026年7月11日時点で知りうる情報を元に作成しております。本記事、本記事に登場する情報元を利用してのいかなる損害等について出版社、取材・制作協力者は一切の責任を負いません。投資は自己責任において行ってください。







