日銀次回「12月利上げ」は遅いか早いか、政策金利1%でも“円安基調”変わらずPhoto:Tomohiro Ohsumi/gettyimages

円安止まらず、一時161円台後半
FRB「利上げへの転換」予想でドル高圧力

 日本銀行は6月15、16日の金融政策決定会合で政策金利を31年ぶりの水準となる1.00%へと引き上げた。

 物価の上振れリスクへの対応からだが、これまで輸入物価上昇の大きな要因になってきた円安には歯止めがかからない状況だ。

 円ドルレートは利上げ決定後むしろ円安に振れ、17日以降は1ドル=161円台となり、今週に入っても円安は加速している。

 政府・日銀は4月末から5月上旬に計12兆円程度の大規模な円買い介入を行ったが、その効果も1カ月ともたなかった。

 日銀が、高市早苗首相が緩和維持を求める姿勢を変えていないなかで、今回、利上げができたのは、直前にベッセント米財務長官の日銀の利上げを支持するような発言が追い風になったからだとみられている。

 米国は、日本が保有する巨大な米国債を売ってほしくない。日本側が円買い介入を繰り返すと、いずれ外貨準備として保有する米長期国債を売却せざるを得ない場面を迎えるだろう。そうなれば、米国の長期金利は上昇して米景気を冷やしかねない。米景気が悪化すれば、11月3日の中間選挙で与党共和党が敗北し、トランプ政権への求心力も一気に弱まる。

 こうした事情から、ベッセント財務長官は、円安是正のためにはなるべく日銀の利上げで対応してほしいという思惑があったのだろう。

 一方で日本側も、米長期金利が上がると、ますます円安は進行しかねないし、こうした政治力学が働いていることはわかっているから、日銀が官邸の意向に逆らう格好になっても利上げができたと考えられる。

 だが、今回の利上げで円安のトレンドが変わらないとなれば、日銀はさらに次の利上げを考えるのだろう。年内に残された日銀の政策決定会合の機会は7月、9月、10月、12月のあと4回だ。

 だが、いつの会合で次の利上げをするのかは、難しい判断だ。利上げが遅くなると、円安が加速する懸念がある。カギを握るのは、ウォーシュ新議長のもとで、利上げに転換しようとしているFRB(連邦準備制度理事会)の動きだが、ほかにも複雑な要因がからむ。