Photo by Go Takano
2025年12月、SBI ホールディングス(HD)との資本業務提携の解消を発表した筑邦銀行。SBI HDの「第4のメガバンク構想」から初の離脱事例となり、北尾吉孝会長兼社長は5月の決算会見で「筑邦銀行には何一つしてもらうことはなかった」と痛烈に批判した。一方、筑邦銀行の鶴久博幸頭取がダイヤモンド編集部のインタビューに応じ、事態の裏側を激白。北尾氏から突然突き付けられた「出資比率引き上げと役員派遣」の要求から、電撃解消を決断するまでの緊迫の2週間の全経緯を明かした。長期連載『金融インサイド』内の特集『地銀再編サバイバル 売れ残り回避の最終戦』#23では、大手グループに依存せず「自主独立」を貫く小規模地銀のサバイバル戦略に迫る。(聞き手/ダイヤモンド編集部 高野 豪)
久留米に根差す地銀の自負
統合に頼らず自主独立へ進む
――金利のある世界で規模のメリットが増す中、経営統合や合併の選択肢はありますか。
規模のメリットはあるのかもしれません。しかし「自主独立」の基本姿勢は変わりません。
規模の利益は小さいので、収益力や経営効率を高める必要があります。一方で、システムやマネーロンダリング、サイバーセキュリティーなど、非競争領域で共同化できる部分は進めていきたい。
いざという時はいろいろと考えなければなりませんが、今はその必要がありません。企業型確定拠出年金(DC)支援やプレミアム付き電子商品券・地域デジタル通貨のプラットフォームを提供する事業会社のまちのわなど、当行独自の強みも顕在化しています。
地域のマーケットやお客さまに必要とされる以上、絶対に自主独立でやっていきたい。
――自主独立で問題ないと言い切れる根拠はどこにあるのでしょうか。
経営が悪化しているならまだしも、良くなっていることです。
小規模の地方銀行ならではの経費率の高さは課題です。ただ、中期経営計画の最終年度を迎え、次の計画や5年後、10年後を見据えても、われわれは自主独立でやっていけるという認識を持っています。
環境の変化は理解していますが、久留米(福岡)を地元とする地銀として生き残っていかなければなりません。経営統合ありきの考えは持ちたくないですね。
――2025年12月にSBIホールディングス(HD)との資本業務提携を解消しました。提携解消の裏側にどのような事情があったのでしょうか。
SBI北尾氏による、役員派遣や出資比率引き上げの要求を拒んだ筑邦銀行側の真意はどこにあったのか。次ページでは、SBIから要求を受けた日から、電撃的な提携解消に至るまでの経緯について、鶴久頭取が自主独立のスタンスとともに明かす。







