Photo:PIXTA
7月1日、三菱UFJ銀行と近鉄グループホールディングスは、個人向け銀行サービスを2027年3月から共同で始めると発表した。近畿ではこれに先立ち、阪急阪神ホールディングスが池田泉州銀行と、JR西日本(西日本旅客鉄道)がりそなホールディングスと相次いで提携。鉄道会社が抱える巨大な顧客基盤を巡り、メガバンク、地域密着型のりそな・地方銀行、ネット銀行による三つどもえの争奪戦が熱を帯びている。なぜ金融機関は鉄道会社に熱い視線を送るのか。長期連載『金融インサイド』の本稿では、各陣営が鉄道争奪戦に懸ける思惑と戦略の違い、鉄道会社側がパートナー選びで重視した条件を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 永吉泰貴)
三菱UFJも鉄道経済圏に参入!
鉄道会社を求める銀行の事情とは
近畿の鉄道網で、銀行の「陣取り合戦」が熱を帯びている。
2026年2月、阪急阪神ホールディングス(HD)は池田泉州銀行と提携し、ネット銀行サービスへの参入を発表。5月にはJR西日本(西日本旅客鉄道)が、りそなホールディングス(HD)傘下の関西みらい銀行の株式20%を取得する資本業務提携に踏み込んだ。
さらに7月、近鉄グループホールディングス(GHD)は三菱UFJ銀行のBaaS(銀行機能を外部提供する仕組み)基盤「& BANK」の採用を発表した。関西の鉄道会社が、相次いで銀行サービスへの参入方針を決めているのだ。
注目すべきは、鉄道会社の争奪戦が、同規模・同業態の銀行同士による競争ではない点だ。鉄道会社との提携を巡り、メガバンク、地域密着型のりそなHD・地銀、ネット銀行の3陣営が、三つどもえの争奪戦を繰り広げている。
実際、鉄道会社には多くの金融機関から“ラブコール”が届いている。JR西日本の倉坂昇治社長はダイヤモンド編集部の取材に、「いろいろな会社から『BaaSを一緒にやりませんか』というお声掛けを頂いた」と明かした。近鉄GHDも会見で、複数社からの提案を比較検討した上で三菱UFJ銀行を選んだと説明している。
なぜ銀行は、こぞって鉄道会社に接近するのか。次ページでは、各プレーヤーの思惑をひもとき、鉄道争奪戦で選ばれる銀行の条件を明らかにする。








