RAMageddon:
ラムアゲドン

AI革命でメモリー半導体は極端な供給不足、大幅なコスト増を背景に企業倒産も

 人工知能(AI)インフラへの投資が爆発的に拡大すると何が起きるか?「ラムアゲドン(RAMageddon)」である。

 世界的にメモリー半導体が供給不足に陥り、エレクトロニクスや自動車などさまざまな業界が深刻な影響を受けている。巨大テック企業が競い合うようにしてAIデータセンターを建設し、DRAMやNAND型フラッシュメモリーなどを吸い上げているためだ。

 ここから生まれた造語がラムアゲドンだ。メモリーの中心的存在であるDRAMの需給がひっ迫して価格が高騰し、「アルマゲドン(armageddon)」という名の大災害を引き起こしている――こんな意味合いを持つ。

 AI革命が本格到来したのを受け、メモリー業界は利幅の大きいAIデータセンター向け高性能メモリー(high-margin AI chip)の生産を最優先している。裏を返せば、パソコンやスマートフォン、家庭用ゲーム機などに使われる普及型メモリーの生産を二の次にし、ラムアゲドンを引き起こしているということである。

 結果として、普及型メモリーに依存する家電メーカーなど大口ユーザーは大幅なコスト増に直面し、新たな経営リスクを抱え込んでいる。コスト全体に占めるメモリーの割合は高い。アナリストの推計によれば低価格ノートパソコンで23%、低価格スマホで30%に達する。

 米アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は6月中旬に米「ウォール・ストリート・ジャーナル」紙に対し、「値上げは不可避」と明言した。