金利上昇「衝撃度」ランキング!【26業界】苦しくなる企業はどこ?#20Photo:PIXTA

ゲーム、印刷、スポーツ用品、文具、住設機器など、多様な企業が集まる「その他製品」。総じて有利子負債は膨らみにくい業種だが、収益力が低い企業や短期の借り換え負担が大きい企業には金利上昇が重くのしかかる。特集『金利上昇「衝撃度」ランキング!【26業界】苦しくなる企業はどこ?』の本稿では、2年以内に返済・償還を迎える有利子負債に着目し、金利が1%上昇した際の利益への打撃を独自試算した「金利上昇衝撃度」でその他製品業界各社をランキングした。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)

ひとくくりにできない「その他製品」
金利上昇で浮かぶ企業ごとの明暗

 東京証券取引所の33業種の一つである「その他製品」には、幅広い事業を手がける企業が含まれている。

 代表例を挙げると、任天堂やバンダイナムコホールディングスなどゲーム・エンターテインメント関連、大日本印刷やTOPPANホールディングスなどの印刷大手、ミズノやアシックスなどのスポーツ用品メーカー、コクヨやパイロットコーポレーションなどの文具メーカー、クリナップなどの住宅設備機器メーカーである。

 業種全体をひとくくりにはできないものの、鉄鋼や化学、電気機器、輸送用機器といった設備負担の大きい製造業と比べると、有利子負債がそれほど膨らんでいない企業も少なくない。

 もっとも、個別企業に目を向ければ事情は異なる。業績の悪化や運転資金の増加などによって、借入金や社債で外部から資金を調達する必要が高まっている企業もある。そうした企業にとって、金利上昇は利益を圧迫する要因となる。

 2024年3月に日本銀行がマイナス金利政策を解除して以降、日本にも「金利のある世界」が戻ってきた。日銀は26年6月、政策金利を1%程度まで引き上げた。市場では9月17、18日に開かれる金融政策決定会合で追加利上げに踏み切るとの観測も強まり、その後の利上げペースが速まるとの見方も出ている。

 長期金利も大きく上昇している。9月1日には、27年度一般会計予算の概算要求額が約143兆円に膨らんだことなどを背景に財政悪化への警戒が強まり、長期金利の指標となる新発10年国債利回りは3.005%まで上昇した。約30年ぶりの高水準である。

 こうした金利上昇は企業の利払い負担を増加させる。ただし、その影響の大きさは企業によって大きく異なる。

 重要なのが、借入金や社債の返済・償還時期である。既存の借入金や社債が固定金利であれば、市場金利が上昇しても直ちに利払い費が増えるわけではない。返済・償還期限を迎え、より高い金利で借り換える段階で影響が本格化する。

 このため、有利子負債が多額でも返済・償還時期が数年先であれば、当面の影響は限定される。逆に、有利子負債の総額がそれほど大きくなくても、近い将来に多額の返済・償還を控えていれば、借換金利の上昇による打撃は大きくなり得る。

 そこで今回、決算期末から2年以内に返済・償還予定の有利子負債を対象に、借換金利が1%上昇した場合の利払い負担増加額を試算した。

 さらに、その金額が直近3期の平均営業利益の何パーセントに相当するかを算出し、利益への圧迫度を示す「金利上昇衝撃度」としてランキングを作成した。

 次ページでは、その他製品業界のランキングを基に、金利上昇が各社の利益にどの程度のショックを与える可能性があるのかを詳しく見ていこう。