金利上昇「衝撃度」ランキング!【26業界】苦しくなる企業はどこ?#22Photo:PIXTA

原材料高や人件費増に加え、金利上昇という新たなコスト増に直面する繊維製品業界。設備投資負担の大きい素材メーカーだけでなく、在庫増で借入金が膨らみやすいアパレル企業にも影響は及ぶ。特集『金利上昇「衝撃度」ランキング!【26業界】苦しくなる企業はどこ?』の本稿では、2年以内に返済・償還を迎える有利子負債に着目し、金利上昇が繊維製品業界各社の利益をどこまで圧迫するかを検証した。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)

原材料高・人件費増に金利上昇
繊維各社の収益を圧迫

 繊維製品業界には、東レや帝人などの素材メーカーからアパレルメーカーまで幅広い企業が含まれる。大手素材メーカーでは、自動車や航空機、電子部品などに使われる高機能・高付加価値素材へのシフトが進んでいる。一方、アパレル関連ではインバウンド需要などが追い風となる企業もある。

 ただ、業界全体を見れば、原材料価格やエネルギー価格の上昇、円安、人手不足に伴う人件費増加などが採算を圧迫する要因となっている。

 大手の繊維・素材メーカーは、鉄鋼などの重厚長大型産業ほどではないものの、生産設備への一定規模の投資が必要で、有利子負債が膨らみやすい。一方、アパレルメーカーでは、販売が計画を下回ると在庫が積み上がり、その資金を賄うために運転資金の借り入れが増えることがある。

 そうした繊維製品各社にとって、原材料高や人件費増に加えて新たなコストアップ要因となるのが、金利上昇による利払い負担の増加である。

 2024年3月に日本銀行がマイナス金利政策を解除して以降、日本にも「金利のある世界」が戻ってきた。日銀は26年6月、政策金利を1.0%程度まで引き上げた。市場では9月17、18日に開かれる金融政策決定会合での追加利上げ観測もあり、その後も金融引き締めが続くとの見方がある。

 長期金利も大きく上昇した。9月1日には、長期金利の指標となる新発10年国債利回りが3.005%まで上昇し、1996年9月以来、約30年ぶりの高水準を付けた。日銀の追加利上げ観測や海外金利の上昇に加え、27年度一般会計予算の概算要求額が約143.1兆円と過去最大になったことで財政悪化への警戒が強まったことなどが、国債売りの背景となった。

 こうした金利上昇は、企業の利払い負担を増加させる。ただし、その影響の大きさは企業によって大きく異なる。

 重要なのが、借入金や社債の返済・償還時期である。既存の借入金や社債が固定金利であれば、市場金利が上昇しても、直ちに利払い費が増えるわけではない。返済・償還期限を迎え、より高い金利で借り換える段階で影響が本格化する。

 そのため、有利子負債が多額でも返済・償還時期が数年先であれば、当面の影響は限定される。逆に、有利子負債の総額がそれほど大きくなくても、近い将来に多額の返済・償還を控えていれば、借換金利の上昇による打撃は大きくなり得る。

 そこで今回、決算期末から2年以内に返済・償還予定の有利子負債を対象に、借換金利が1%上昇した場合の利払い負担増加額を試算した。

 さらに、その金額が直近3期の平均営業利益の何パーセントに相当するかを算出し、利益への圧迫度を示す「金利上昇衝撃度」としてランキングを作成した。

 次ページでは、繊維製品業界のランキングを基に、金利上昇が各社の利益にどの程度のショックを与える可能性があるのかを詳しく見ていこう。