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紙需要の構造的な減少に加え、エネルギー価格や人件費、物流費の上昇に直面する紙・パルプ業界。装置産業だけに有利子負債も膨らみやすく、金利上昇は新たな収益圧迫要因となる。特集『金利上昇「衝撃度」ランキング!【26業界】苦しくなる企業はどこ?』の本稿では、2年以内に返済・償還を迎える有利子負債に着目し、金利上昇が紙・パルプ業界各社の利益をどこまで圧迫するかを検証した。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)
需要減とコスト高に金利上昇
紙・パルプ業界を襲う三重苦
新聞の発行部数減少に伴う新聞用紙需要の落ち込みや、ペーパーレス化による印刷・情報用紙需要の減少など、国内の紙需要は構造的な縮小傾向にある。海外でも、中国の内需減速や供給過剰などを背景に紙市況は低迷しており、紙・パルプ業界には厳しい事業環境が続いている。
紙・パルプの生産には大量の電力や燃料を使用するため、エネルギー価格の上昇は収益を大きく圧迫する。人手不足を背景とした人件費や物流費の増加もあり、コスト負担は膨らんでいる。
各社は製品価格の引き上げによって採算改善を進めているものの、価格転嫁がコスト増に追い付かず、減益となる企業も少なくない。
さらに、紙・パルプ業界は大型の生産設備に多額の資金を必要とする装置産業であり、有利子負債が膨らみやすい。そのため金利上昇は、利払い費の増加を通じて新たなコスト上昇要因となる。
2024年3月に日本銀行がマイナス金利政策を解除して以降、日本にも「金利のある世界」が戻ってきた。日銀は26年6月、政策金利を1.0%程度まで引き上げた。市場では9月17、18日に開かれる金融政策決定会合での追加利上げ観測もあり、その後も金融引き締めが続くとの見方がある。
長期金利も大きく上昇している。9月1日には、長期金利の指標となる新発10年国債利回りが3.005%まで上昇し、1996年9月以来、約30年ぶりの高水準を付けた。日銀の追加利上げ観測や米長期金利の上昇に加え、27年度一般会計予算の概算要求額が約143.1兆円と過去最大になり、財政悪化への警戒が強まったことなどが国債売りの背景となった。
こうした金利上昇は企業の利払い負担を増加させる。ただし、その影響の大きさは企業によって大きく異なる。
重要なのが、借入金や社債の返済・償還時期である。既存の借入金や社債が固定金利であれば、市場金利が上昇しても直ちに利払い費が増えるわけではない。返済・償還期限を迎え、より高い金利で借り換える段階で影響が本格化する。
そのため、有利子負債が多額でも返済・償還時期が数年先であれば、当面の影響は限定される。逆に、有利子負債の総額がそれほど大きくなくても、近い将来に多額の返済・償還を控えていれば、借換金利の上昇による打撃は大きくなり得る。
そこで今回、決算期末から2年以内に返済・償還予定の有利子負債を対象に、借換金利が1%上昇した場合の利払い負担増加額を試算した。さらに、その金額が直近3期の平均営業利益の何パーセントに相当するかを算出し、利益への圧迫度を示す「金利上昇衝撃度」としてランキングを作成した。
次ページでは、紙・パルプ業界のランキングを基に、金利上昇が各社の利益にどの程度のショックを与える可能性があるのかを詳しく見ていこう。







