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人件費上昇に直面するサービス業界に、もう一つのコスト増要因が迫っている。金利上昇だ。ただし、その打撃は有利子負債の額だけでは測れない。有利子負債の返済・償還期限によって大きく変わる。特集『金利上昇「衝撃度」ランキング!【26業界】苦しくなる企業はどこ?』の本稿では、2年以内に返済・償還を迎える有利子負債に着目し、金利が1%上昇した際の利益への打撃を独自試算した「金利上昇衝撃度」でサービス業各社をランキングした。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)
人件費高に金利上昇が追い打ち
サービス業を襲う二重のコスト増
ホテル、エンターテインメント、人材派遣、コンサルティング、広告、介護――。サービス業には、さまざまな事業を営む企業が含まれている。
こうした幅広いサービス企業の多くに共通するコスト上昇要因が、人件費だ。人手不足を背景に賃金上昇が続く中、人件費の増加分を宿泊料金や入場料、利用料などにどこまで転嫁できるかが、業績を左右する重要なポイントになっている。価格転嫁は一定程度進んでおり、サービス業全体で見れば業績は比較的堅調だ。
一方、財務構造には企業によって大きな違いがある。
コンサルティングや人材派遣など、大規模な設備を必要としない事業では、有利子負債が比較的少ない企業も多い。これに対し、ホテルなどの観光関連事業や介護施設など、一定の設備投資を必要とする事業では、借入金などの有利子負債が膨らみやすい。
そうした有利子負債を多く抱える企業にとって、人件費に続く新たなコストアップ要因となるのが利払い費だ。
2024年3月に日本銀行がマイナス金利政策を解除して以降、日本にも「金利のある世界」が戻ってきた。日銀は26年6月、政策金利を1%程度まで引き上げた。市場では9月の金融政策決定会合で追加利上げに踏み切るとの観測も強まり、その後の利上げペースが速まるとの見方も出ている。
27年度一般会計予算の概算要求額が約143兆円に膨らんだことなどを背景に財政悪化への警戒も強まり、9月1日には長期金利の指標となる新発10年国債利回りは一時3.005%まで上昇した。約30年ぶりの高水準である。
こうした金利上昇は、企業の利払い負担を増やす。ただし、その影響の大きさは企業によって大きく異なる。
重要なのが、借入金や社債の返済・償還時期だ。既存の借入金や社債が固定金利であれば、市場金利が上昇しても直ちに利払い費が増えるわけではない。返済・償還期限を迎え、より高い金利で借り換える段階で影響が本格化する。
このため、有利子負債が多額でも返済・償還時期が数年先なら、当面の影響は限定的だ。逆に、有利子負債の総額がそれほど大きくなくても、近い将来に多額の返済・償還を控えていれば、借換金利の上昇による打撃は大きくなり得る。
そこで今回、決算期末から2年以内に返済・償還予定の有利子負債を対象に、借換金利が1%上昇した場合の利払い負担増加額を試算した。さらに、その金額が直近3期の平均営業利益の何パーセントに相当するかを算出し、利益への圧迫度を示す「金利上昇衝撃度」としてランキングを作成した。
次ページでは、サービス業の企業を対象としたランキングを掲載し、金利上昇が各社の利益にどの程度のショックを与える可能性があるのかを詳しく見ていこう。







