金利上昇「衝撃度」ランキング!【26業界】苦しくなる企業はどこ?#5Photo:PIXTA

円安や原材料高、人件費上昇に相次ぐ値上げで対応してきた食料品業界に、新たなコスト増要因が迫っている。金利上昇だ。特に影響が大きいのは、多額の有利子負債の返済・償還を近く迎える企業である。そこで特集『金利上昇「衝撃度」ランキング!【26業界】苦しくなる企業はどこ?』の本稿では、2年以内に返済・償還を迎える有利子負債に着目し、金利が1%上昇した際の利益への打撃を独自試算した「金利上昇衝撃度」で食料品各社をランキングした。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)

価格転嫁力で二極化する食料品業界
金利上昇が新たなコスト要因に

 円安は輸入物価を押し上げ、食料品業界では原材料高につながる。エネルギー価格の高騰による操業費や物流費の上昇、人手不足を背景とした人件費増加も採算を圧迫している。

 ただし、食料品企業が総じて業績不振に陥っているわけではない。多くの企業が相次いで値上げに踏み切り、コスト増を販売価格に転嫁してきたためだ。

 とりわけ、ブランド力が強く価格転嫁を進めやすい企業や、海外事業が伸びている企業には好業績のところも少なくない。一方、十分な価格転嫁ができない企業は苦戦しており、業績は二極化している。

 食料品業界は重厚長大型の製造業に比べれば巨額の設備投資を必要とする企業は少なく、外部借り入れへの依存度も総じて高くない。

 それでも、金利上昇が新たなコスト増要因となることに変わりはない。特に、原材料高などを販売価格に十分転嫁できない企業にとって、利払い負担の増加は収益をさらに圧迫する可能性がある。

 2024年3月のマイナス金利解除後、日本銀行は段階的に利上げし、26年6月には政策金利を1%程度とした。長期金利も8月に2.9%台まで上昇し、9月の金融政策決定会合での追加利上げ観測も浮上している。

 海外でも金利には上昇圧力がかかる。米国では30年国債利回りが8月に5.3%台まで上昇。7月のFOMC(米連邦準備制度理事会)では3人が利上げを主張した。ECB(欧州中央銀行)も中東情勢を受けたインフレ圧力に対応して6月に0.25%利上げし、7月は金利を据え置いた。

 企業への影響を左右するのが、有利子負債の返済・償還時期である。金利上昇の影響は、既存の借入金や社債が満期を迎え、より高い金利で借り換える段階で本格化する。

 そこで今回、決算期末から2年以内に返済・償還予定の有利子負債について、借換金利が1%上昇した場合の利払い負担増加額を試算した。その金額が直近3期平均の営業利益の何パーセントに相当するかを「金利上昇衝撃度」とし、ランキングを作成した。

 次ページでは、食料品業界のランキングから、金利上昇が各社の利益をどの程度圧迫する可能性があるのかを見ていく。