ランクルをコンテナに詰めて
UAEに送ろうとした男が逮捕
JUMVEA(日本中古車輸出業協同組合)がまとめた中古車輸出統計によると、日本からの中古車輸出先として、長年にわたってロシアと首位争いを繰り広げていたUAEは、今年3月にランク外(21位以下)まで急落した。
今年6月にはギリギリ20位まで戻ったが、日本からUAEに輸出した中古車は2277台と、前年同月(2万859台)の10分の1程度に沈んだ。
こうした正規の輸出台数の減少が、「ウラの貿易」にも影響を及ぼしている可能性は否定できない。
警察庁が今年7月に開示した、日本における2026年上半期(1~6月)の自動車盗の認知件数(※)は1984台で、前年同期(3819台)から48.0%減となった。
※被害届の提出・受理などにより、警察が正式に「犯罪」と判断した件数。未遂も含まれる
今年は官民連携による各種取組の成果もあってか、年初から盗難認知件数が前年実績を大きく割り込んでいたが、3月を機に4割減の大台に乗っている。
出典:警察庁(表は編集部で一部加工しています)拡大画像表示
また、2026年上半期に日本で盗まれたクルマ(※)を車名別に見ると、首位ランクルの盗難台数は219台。前年同期(765台)と変わらず首位だったものの、被害台数は3分の1以下にまで減った(アルファードは191台→97台、レクサスRXは141台→48台に減少)。
※この統計には未遂を含まない
出典:警察庁拡大画像表示
くしくも、日本からUAEへの密輸が疑われるケースで、従来から目立っていたのがランクルだ。実際に2025年11月には、ランクルの部品を取り外し、コンテナに詰めてUAEに輸出しようとした疑いで、アフガニスタン国籍の男が神奈川県警に関税法違反容疑で逮捕されている。
ランクルは、耐久性や悪路走破性、安全面への信頼性の高さ、整備のしやすさなどから、半世紀以上にわたって海外での評価がすこぶる高い優秀な四輪駆動車である。
それが逆に盗まれやすさにつながっており、警察庁が公表している「車名別盗難台数」では圧倒的な年間1位が続いていた。
そんなランクルの盗難被害が、ホルムズ海峡の封鎖と時期を同じくして大幅に減りつつある。他の要因の影響も否定できないが、この動きは日本で盗まれた人気車種の一部が「UAEを経由する流通ルート」に乗っていた可能性を示唆している。
この見立てが確かならば、他の高級車も含めた盗難台数の減少は、あくまで世界情勢の変化に左右されているだけだ。冒頭で述べた防犯意識の甘さが解消されたわけではなく、日本人は油断せずに窃盗犯から愛車を守るべきである。







