海外でのアウェーな立ち位置がもたらすこと

 ねんど遊びが当たり前にある日本とは違い、海外では、ねんどそのものに触れた経験のない子どもたちも多い。そのなかで、岡田さんの印象に強く残っている国がある。

岡田 ブータンに行ったときのことです。ねんど教室を開く場所として、ガイドさんが見つけてくださったのが、将来にお坊さんになる子どもたちの学校でした。(ねんど教室の開催は)ガイドさんにとっても初めてのことで、「うまくいくか、わからない。子どもたちがどう反応するかもわからない」というなか、ねんドルの衣装を着て、子どもたちの前に立ちました。子どもたちも緊張した様子で、とてもシャイな感じでした。「日本のことは何も知らない」と言うので、日本の文化を伝えようと、お寿司をつくってみることにしたのですが、子どもたちはねんどに触るのが初めてで、お寿司もどんなものかわからない。それなのに、みんな、とても上手で、すごい集中力で一生懸命につくってくれました。最後には、笑顔で、覚えたばかりの日本語で「ありがとう」と言ってくれて。私もガイドさんも涙なしにはいられないほどでした。

 海外でのねんど教室では、「日本との違い」についての気づきもあり、学ぶことが多いという。

岡田 多くの国は、先生方がとてもカジュアルです。授業中に「自撮りしようよ」と話しかけてきたり、「お茶、飲まない?」と、教室に飲み物を持ってきてくれたり。海外渡航の前に、私は現地の言葉を練習したり、台本をつくって丸暗記して臨んだりしていたのですが、ラフな先生たちを見ていたら、気が楽になりました。文法が多少間違っていても、完璧に行おうと思わなくても、経験値が上がっていくことで、自然とうまくこなせるようになり……外国では想定外のことも多いですが、アウェーな経験を積むことで、臨機応変に対応できるようになりました。