岡田さんが伝えていきたい「創造」と「想像」
「エンターテイナーになりたい」「ねんどの作品で、みんなを楽しませたい」と、自分の夢を追いかけ、叶えてきた岡田さんだが、やり遂げていないことがある。それは、「日本の良質なねんどを世界に広めること」と「ねんど教育の確立」だ。
岡田 ねんどに限らず、絵の具や文房具など、日本製のものは気配りのあるものが多いです。いろいろな国に行ったからこそ、その良さがわかり、「世界にもっと広げていきたい」と思っています。とは言っても、私一人ではできません。皆さんと一緒にできればいいですね。そして、ねんど教室の子どもたちが大人になって世界に行き、ねんどの良さを広めていくようになればいいな、と。
ねんど教室を訪れる子どもたちに、岡田さんが伝えていること、伝えたいことは何か?
岡田 作品をつくる「創造」と、人の気持ちを思いやる「想像」の大切さです。2つの「そうぞう」──自分の手を使ってつくる喜びは、デジタル化が進んでいる時代だからこそ失いたくないこと。そして、相手の気持ちを想像して、思いやることを忘れないようにしたい。ねんど教室の子どもたちには、「細やかなことに気がついて、誰かが困っていたら助けてあげられるような大人」になってほしいです。
仕事以外の場でも多くの学びを得てきた岡田さん。これまでの生き方に、岡田さんの現在をかたちづくっているものがある。
岡田 20代の頃は、時間を見つけてはさまざまな学びの場に足を運んでいました。知識を得るだけではなく、同じような志を持った人たちに出会えたことが大きかったです。その人たちとは、何かあれば、いまでも相談できる関係です。学びの場で知り合った仲間たちがいるから、私はいろいろなことに挑戦していけるのだとも思います。振り返れば、20代の頃の私は、経験値が少なく、自分のやりたいことで頭がいっぱいでした。「相手の人に何を提供できるか?」を考えられなかったのです。年を経て、さまざまな経験を重ね、現在は、自分に関わってくれる人たちに時間やお金をかけることが、私の人生の価値になっています。
いまの私は、友達が悩みを相談してくれると、「ああ、心を開いてくれたんだ。何とかして力になりたい」という気持ちになります。しかし、かつての私は、自分のつらいことを誰かに言えず、一人で耐えていました。もっと、周りの人を頼ってもよかったのでは、と思います。
ねんドルの活動を続けて20年以上。かつて、ねんど教室を経験した人が、自分の子どもを連れて来ることもあると、岡田さんは笑顔で語る。
岡田 私は、ある意味「身の程知らず」で、いままでいろいろなことに挑戦してきて、そのおかげで得られたご縁がたくさんあります。これからは、大きな挑戦をするよりも、ご縁のあった方たちと再会したり、コラボレートしたり……これまで積み重ねてきたこと、頑張ってきたことを整えていく時期だと思っています。
……とはいえ、これまでと変わらず、新しい人に出会ったり、知らない場所を訪れたりすることは続けていきたいです。止まってしまうと悩んでしまうので、悩まないように、走り続けていきます。











