「居心地の良い場所に居続けるのは怖い」と思う
ねんど教室以外でも、以前から海外によく出かけていた岡田さん。旅先でのアウェーな立ち位置がプラスになっているようだ。
岡田 日本はとても居心地の良い国ですが、「居心地の良い場所に居続けるのは怖い」と、私は思うことがあります。恵まれた環境で同じことをやり続けても未来はあまり変わらない。あえて、アウェーな場所に身を置くことで、新しい気持ちが生まれ、前に進むことができる。世界の国々に行って、そう考えるようになりました。
私にとって、一人旅は修行のようなもの。「このままではいけない」という危機感を持って、知らない場所に飛び込んでいく感じです。旅先では、私と違う考えの人にもたくさん会いたいですね。同じ価値観を持つ人や親しい人たちとの関係はたしかに楽ですけど、自分と真反対の意見を言う人との会話も貴重なので。自分とは違う環境で育ったり、異なる考えを持つ人と交流することは大切だと思います。
さまざまな経験、いろいろな人たちとの出会いを通して、自分の世界を広げてきた岡田さんは、新しいことに挑戦し続けている。そのひとつが、東京大学・定量生命科学研究所とのコラボレーションだ。
岡田 「子どもたちや一般の人たちが、もっと科学に親しんでほしい」と、研究所の方からお話をいただいたのが、2018年でした。そこから、子どもたちを対象にした「サイエンスねんど教室」が始まりました。小学生だった私の姪も教室に参加したことがあるのですが、「こんなにおもしろい研究ができる大学に、私もいつか入りたい」と、東大の研究に興味を持つようになりました。
各研究室のテーマをねんどの作品に――たとえば、DNAの塩基についてのお話を伺いながら、それをねんどでつくって、先生方に見ていただいて、修正して、というふうに、難解な世界を可視化していく作業は、私自身の新しい挑戦になっています。ひとつの作品をつくるのにとても時間がかかることもありますが、先生方が楽しそうに研究テーマを話されているので、私の興味もどんどん湧いてきます。









