6月に成立した「消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法」(価格表示特別法)という長い名前の法律によって、2014年4月から17年3月末までの間の特例として、消費税額を含まない価格表示(税抜き表示、いわゆる外税方式)が認められる。8%、10%と短期間で2度も引き上がる消費税率の表示の手間を省くためである。しかし、税抜表示と総額表示の併存は、消費者を混乱させる可能性が高い。消費者は、どちらの表示を選ぶか、アンケート結果からも明らかだ。

「総額表示」だけでなく
「税抜表示」も可能に

 来年4月に予定されている消費税率の引き上げで、小売店やサービス業などの価格の表示は、これまで義務づけられていた消費税込みの価格表示(「総額表示」)だけでなく、「税抜表示」も認められることになった。

 2014年4月から17年3月末までの間の特例措置として設けられたもので、14年4月から8%、15年10月から10%と2度の消費税率変更で業者の値札の張り替えなどの手間をはぶくため、と説明されている。

 現在の、

 △△円(税込)、△△円(うち消費税□円)、△△円(税抜価格□円)

 から、

 ○○円(税抜価格)、 ○○円(本体価格)、 ○○円+税

 といった表示が店頭やチラシに並ぶこととなったのである。

 また、個々の値札では「○○円」と税抜価格のみを表示し,消費者の目に付きやすい場所に,「当店の価格は全て税抜価格となっています。」といった掲示を行うことも認められた。

 さっそくスーパーなどで作る「日本チェーンストア協会」は、「税抜表示」で統一したいという方針を加盟各社に伝えたと報道されている。