イメージ写真写真はイメージです Photo:PIXTA

「仕事は順調。でも、自分が介在している実感が湧きづらい」――経営に近いポジションで全体の戦略を描き続ける中で、現場との距離感に悩む人は少なくありません。今回は大手流通ホールディングスでのデータ分析の経験を経て、「手触り感へのこだわり」に向き合い、異業界へ挑戦して納得のキャリアをつかんだ30代男性の事例から、理想の転職を実現するためのヒントを探ります。 (文=橋本 拓弥/リクルートエージェント キャリアアドバイザー)

異業界へ挑戦し、手触り感と
ライフスタイルの両立をつかんだ決断

 大手流通ホールディングスで、グループ全体の購買データ分析や売上戦略立案を手掛けていた30代のAさん。1社目でSNSデータなどの分析業務を経験した後、2社目の現職でも着実にキャリアを重ね、高い評価と安定した職場環境を得ていました。

 順風満帆に見える一方で、Aさんの胸中にはどこか不完全燃焼な思いがありました。

 ホールディングスという立場上、膨大な購買データを分析して戦略を提示することはできます。しかし、実際に施策を実行するのは、あくまでも傘下の各事業会社です。

 現場とは距離感があるため、自分の戦略がどこまで現場に浸透し活かされているかが見えにくい環境だったのです。

「自分が考えた施策は、本当に届いているのだろうか」 「誰かの心を動かし、熱量を生み出せているのだろうか」

 戦略の「その先」が見えず、成果を出しつつも仕事への手触り感が得られないもどかしさを抱えていました。

 そんな中Aさんは、第一子の誕生というライフステージの変化を一つのきっかけとして、今後の働き方や生活基盤について改めて考えるようになりました。