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任天堂の株価の停滞が止まらない。足元の決算は堅調、マリオ新作などの映画事業も好調だが、今後を見据えると同社の事業には三つの懸念点があるという。連載『沸騰!エンタメビジネス』の本稿では、発売3年目を迎えるSwitch2の販売はどうなるのか、そして2027年の事業と業績をアナリストが分析する。(東洋リサーチアドバイス シニアアナリスト 安田秀樹)
マリオ新作映画の好調と一過性要因で増益決算
それでも任天堂株価の動きはさえない
今回は任天堂について取り上げる。堅調な決算と新規事業の成功にもかかわらず、株価は2025年11月の1万4000円台の半額近くとなる7000円台で低迷している。27年3月期第1四半期決算内容と、投資家が任天堂の現在の課題を何と捉えているかについて解説したい。
任天堂の27年3月期第1四半期業績は、売上高5178億円(前年同期比9.5%減)、営業利益1425億円(同150.5%増)となり、減収ながら大幅な営業増益となった。昨年夏からのDRAM価格急騰により同社の業績懸念が高まったものの、第1四半期時点では大きな悪影響は出ていない。
減収の主な要因は、25年6月に発売されたNintendo Switch2が大きく売れた後、通常の閑散期となったためハードウエアの販売台数が減少したことが影響している。一方、大幅な営業増益を果たした背景には、ソフトウエア販売本数の増加や円安進行に加え、ソニーグループと同様に、IEEPA(国際緊急経済権限法)関税の還付に伴う約3億米ドル(約480億円)の売上原価減額計上などが寄与している。
また、IP関連ビジネスの売上高は前年同期比107.4%増の348億円と大幅に伸長している。これは今年上映された映画「ザ・スーパーマリオ ギャラクシー・ムービー」の大ヒットによるものが大きい。興行収入2000億円を超える世界的大ヒットを記録し、IPの認知度向上という目的を十分に果たしたといえる。前作同様、本映画は評論家からの評価こそ決して高くなかったが、一般観客からは絶大な支持を得た。社会性やテーマ性といった芸術的評価が評論においては重視されがちだが、観客が求めているのはシンプルな面白さである。
「ちいかわ」のアニメ映画が興行収入160億円を超える大ヒットとなるなど、日本ではファミリー層から若い世代までアニメを視聴する層が定着している。『ザ・スーパーマリオ ギャラクシー』の世界的な成果を見ても、ソニーグループや東宝がアニメに投資したことは良かったと言っていいだろう。
だが、上記のように任天堂の株価が昨年のピークから半減したことも事実で、その経営には懸念点が三つある。それは何か。本稿ではこの懸念点について深く掘り下げていく。







