私が制作会社のADから企画のトップであるプロデューサーまで経験できて良かったと思うのは、それぞれの役割における作業や労力が想定できるようになったことです。その加減がわかると、プロジェクトをコントロールしやすくなる。
逆にプロデューサーしか経験していないと、現場の作業量や作業内容が理解できていないため、つい人に仕事を振りすぎてしまったり、そこそこのクオリティでも納得してしまったりします。
後の人気番組プロデューサーが
30歳で「AD」を志願したワケ
私がパーソナリティを務める『GATE BREAKERS』(注1)というポッドキャストで、『有吉の壁』を手がける日本テレビプロデューサーの横澤俊之さんをお招きしたときも、同じような話になりました。
横澤さんは、日本テレビで長く営業職を経験し、30歳ぐらいになって初めて制作としてのキャリアをスタートさせています。その際、自ら「ADをやらせてください」と申し出たそうです。
本来ならやる必要のない仕事ですし、30を過ぎたADは現場的にも使いづらいものです。それでも、ADを経験しておくことが大事だと思い、半年以上続けたといいます。
その結果、プロデューサーになってもADの立場が理解できている。それだけで、スタッフに対する声のかけ方一つとっても違うものになっているのではないでしょうか。
私にも「連絡をすることがおっくうに感じる人」はいますが、その理由とは別にAD時代、連絡を入れるのが遅かった時期がありました。
作業が終わらないのに連絡をすると「まだ終わっていないのか」と仕事の遅さを怒られていたからです。
連絡や返信が遅い人は、仕事がキャパオーバーしていることが多いです。
今は、私自身の経験から、なんで連絡をしないか問い詰めるのではなく、どの作業が負荷になっているかを推察します。そしてその作業を引き取ったり、別の人に振り直したりするようになりました。
この考え方ができれば、返事がないことを前提に先んじてこちらから動くことで、プロジェクトを止めずに進行することができます。







