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安川電機の前社長、小川昌寛氏が10月2日に死去した。キャリアのほとんどをロボット事業の発展にささげ、フィジカルAI(人工知能)やヒューマノイドへの投資を進めた。社長退任後もAIロボティクスの部門トップとして現場に残り、AI時代の安川電機の在り方を模索し続けた。連載『重工・機械 成長への羅針盤』の本稿では、小川氏が安川電機に残したものを振り返る。(ダイヤモンド編集部 井口慎太郎)
「ロボット一筋」で社長に
退任後も会社の命運を左右するAI事業を担当
安川電機は10月5日、前社長で副会長の小川昌寛氏が2日に死去したと発表した。62歳だった。
小川氏は1987年に安川電機へ入社した。米国事業の統括を経て、2016年にロボット事業部長に就任。取締役、常務、専務を経て、23年3月に社長に昇格した。
産業用ロボット大手として知られる安川電機だが、歴代トップにはインバーターやサーボモーターなど、ロボット以外をキャリアの中心としてきた経営者が少なくない。そうした中で小川氏は一貫してロボット事業部で経験を積んできた。
トップ就任から3年余りたった今年5月。小川氏は持病の療養を理由に社長を退任した。同月から小笠原浩会長が社長を兼務し、小川氏は副会長となった。
折しも、AI(人工知能)が現実世界の機械を自律的に動かす「フィジカルAI」への関心が急速に高まっていた。安川電機はAIによって自律的に動く産業用ロボット「MOTOMAN NEXT(モートマンネクスト)」を23年から販売し、ヒューマノイドを開発する早稲田大学発のスタートアップ、東京ロボティクスを25年に買収した。ソフトバンクとはフィジカルAIで協業し、富士通とは米エヌビディアの技術を活用したフィジカルAIの実装にも着手していた。
次ページではフィジカルAIを巡る小川氏の見解を顧みた上で、社長を務めた3年間の業績も振り返る。小川氏が安川電機に残そうとしたものは何だったのか。







