日産の内田誠前社長は巨額の最終赤字を出した時、「日産はこんなものではない」と語っていた。内田氏は責任を取る形で退任したが、忘れ形見のひとつであるキックスに触れて、内田氏の発言が決して強がりではなかったのだなと思った。
もっとも、キックスが快作に仕上がったからといって、日産ブランドが即座にパワーアップできるわけではない。まず、このようなクルマ作りを期間限定のムーブメントで終わらせないことが大前提。そして、日産のクルマづくりに関するビジョンの間断なき発信、販売店におけるユーザーとのコミュニケーション強化、技術的な問題が起きた際の誠実な対応など、改革すべき点は山ほどある。
そういう努力を今後、どれだけ積み重ねていくことができるか。マイナスからの再スタートである今は、さまざまな逆風に見舞われることもあろう。それに負けずに改革を進めていけば、いずれ果実を得られる時も来るであろう。そんな思いが頭に浮かんだ、キックスのロードテストであった。
西伊豆・堂ヶ島にて。クロスオーバーSUVは類型的なデザインになりがちだが、キックスはなかなかハンサムな仕立てという印象を抱いた Photo by K.I.
前席。圧迫感を徹底的に減らした開放感のある空間設計で、視界も良好だった Photo by K.I.
キックスのダッシュボード全景。Bセグメントコンパクト、ノートオーラと共通のデザインモチーフで、居心地はとても良かった Photo by K.I.
後席は荷室の奥行き80cm以上を確保しながら十分以上の広さ Photo by K.I.
キックスのドアを全開放。アクセス性は前席、後席、荷室とバランスが取れており、遊びに寄せたファミリーカーを欲するユーザーには格好の選択肢 Photo by K.I.
南伊豆にて。バンピングだらけの路面をものともしない足まわりで、どこまでもドライブしたくなるキャラに仕立てられていた Photo by K.I.







