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政府が推し進める原子力発電所の建て替えや洋上風力発電の推進で設備投資が膨らむことが予想される電気・ガス業界。インフレの影響でただでさえ資金確保に悩む中、金利上昇がさらなる頭痛の種となっている。特集『金利上昇「衝撃度」ランキング!【26業界】苦しくなる企業はどこ?』の本稿では、2年以内に返済・償還を迎える有利子負債の借換金利が1%上昇した場合、足元の利益をどれだけ押し下げるかを独自試算した「金利上昇衝撃度」で電気・ガス業界各社をランキングした。(ダイヤモンド編集部 鈴木文也)
装置産業の電気・ガス業界
国主導で設備投資は膨らむ
電気・ガス業界は発電所やパイプラインなどのインフラ設備を基にした典型的な装置産業だ。巨額の設備投資が必要となることから長期借入金が資金調達の軸となってきた。金利のある世界が到来してもすぐに影響が出るというわけではない。しかし、事業者らは今後も設備投資を積極的に行わなければいけない事情があり、新規融資や借り換えでの金利上昇の影響は大きい。
政府は2040年代までに原子力発電所を最大5基建て替える目標を定め、再生可能エネルギーの拡充のために洋上風力事業も推進している。特に原発の建設費用は1兆円を超える可能性がある。26年に電気事業法の改正が成立し、公的融資が可能になったが、金利上昇は今後控えている発電所の建設計画にも影響を与えるだろう。
そもそも電気・ガス業界は金利上昇を正面から迎え撃つほど安定した業界ではなくなっている。16年の電力小売り全面自由化以降、都市圏を中心に大手電力事業者と新電力との間ではシェアを奪い合う熾烈な競争が続いている。自由化から10年がたち勢力図は固まりつつあるものの、東京電力ホールディングス(HD)で小売り事業を担う東京電力エナジーパートナー(EP)が継続してシェアを落とし続けていることも踏まえると、金利上昇は設備投資だけでなく毎期の利益確保にとっても無視できない負担につながる。
今回、ダイヤモンド編集部は、決算期末時点で2年以内に返済・償還を予定する有利子負債を対象に、借換時の金利が1%上昇した場合の利払い負担増加額を試算した。さらに、その金額が直近3期の平均営業利益に占める割合を算出し、利益への圧迫度を示す「金利上昇衝撃度」としてランキングを作成した。
次ページでは、電気・ガス業界のランキングを紹介し、金利上昇が各社の利益にどの程度の影響を与える可能性があるのかを詳しく見ていく。







