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「電電ファミリー」の一角を担ってきたNECは、富士通と共にNTTドコモ向けに携帯電話の基地局を供給してきた。だが、北欧や中国の競合が世界の基地局市場を席巻し、日本勢は劣勢を強いられている。そんな中、NECは今年に入って基地局事業の一部撤退を発表した。果たしてNECは、基地局ビジネスのどこに活路を見いだすのか。特集『大NTT 巨大再編の賭け』の#5では、NECの通信機器事業を率いる佐藤崇ネットワークソリューション事業部門長が、大口顧客であるNTTとの関係の行方や、NTTドコモと組む海外戦略の勝算を語った。(聞き手/ダイヤモンド編集部 村井令二、今枝翔太郎)
決して全面撤退ではない!
NECの基地局ビジネスの活路とは?
――今年に入って、携帯電話基地局の一部撤退を発表しました。世界の基地局市場で日本勢のシェアが低下していますが、基地局ビジネスの苦境が背景にあるのでしょうか。
誤解されることがあるのですが、基地局ビジネスを全部やめるわけではありません。経済合理性がある事業は続け、採算が難しいところから手を引く。その取捨選択は通常の企業活動と同じです。
撤退するのは、既存の基地局事業のうち、制御系のCU(Central Unit。中央集権ユニット)とDU(Distributed Unit。分散ユニット)の専用ハードウエアの部分です。一方、汎用機に搭載するCU、DUのソフトウエア開発は継続しています。
また、基地局のRU(無線機)の部分も重視しています。最新アンテナ技術の「Massive MIMO(マッシブマイモ)」を搭載した製品が、楽天モバイル向けに採用されています。
――世界の基地局市場では、中国ファーウェイやスウェーデンのエリクソン、フィンランドのノキアが大きなシェアを占め、日本勢は富士通とNECを足して約1%にとどまっています。
世界で大量生産モデルを展開する競合と戦うのは難しい。海外勢が席巻する中で、われわれが日本市場ばかりをターゲットにしてきたことも要因でしょう。国内では5G(第5世代移動通信規格)から苦戦が始まっていますが、世界では3G・4Gの時代から厳しい状況でした。
――国内でも5Gでは苦戦しているということですが、NECや富士通は3G・4Gの時代、NTTドコモと共同開発した基地局を供給してきました。ドコモとの関係は変わってきているのですか。
4G時代から5Gの初期までは、キャリア主導で開発した技術をわれわれメーカーが実装するというバランスが取れていました。しかし、ここ数年で状況が変わり、ドコモ向けの事業も厳しくなってきています。
――基地局ビジネスの大口取引先はドコモで、無線機で楽天モバイルとも取引がありますが、今後、基地局事業をどう伸ばしていきますか。
NECは、海外勢がシェアで圧倒する基地局市場で、どのように生き残りを図るのか。大口取引先のNTTドコモとの関係が変化する中、基地局事業の新たな収益機会はどこにあるのか。さらに、NTTグループが推進する次世代通信基盤「IOWN」構想をどう成長につなげていくか。次ページで、佐藤事業部門長が戦略を明かす。







