マイクロソフトが米時間9月23日、同社のタブレット型コンピュータ「サーフェス」の新型バージョンを発表した。発売は、10月22日の予定だ。
サーフェスの最初のバージョンは昨年夏に発表され、マイクロソフトが初めてコンピュータ・ハードウェアに挑むとあって話題になった。だが、同年10月に実際に発売が開始されると売上は伸びず、発売直後に担当重役が辞職するなど、イメージ面でも幸先の悪いスタートを切っていた。
今回は、そのサーフェスがアップデートされたわけだが、見た目は初代バージョンとほとんど変化はない。2モデルあり、モバイル用のマイクロプロセッサーを搭載した「サーフェス2」と、PC級の「サーフェス・プロ2」だ。スクリーンサイズは、いずれも10.6インチである。今回のアップデートでは、いずれのモデルでもバッテリーの持ちを格段に向上させ、スクリーンの解像度もアップさせた。初代モデルで苦情の多かった点だ。
なぜ初代サーフェスは売れなかったか
初代バージョンの「サーフェスRT」と「サーフェス・プロ」は、優れたフィーチャーが多いのに、マーケティングの面でもタイミングの点でも、その魅力をアピールし損ねた感があった。
優れたフィーチャーというのは、軽量であることに加え、カバーがキーボードを兼ねているという点。通常のタブレットでコンピュータ並みの入力を行おうとすると、使いにくいバーチャルキーボードを耐え忍ぶか、外付けキーボードを別に持ち運ぶ必要があった。だが、サーフェスのカバーキーボードは、タッチ式とメカニカルなタイプ式があり、いずれも通常のコンピュータ用キーボードと同じようにタイプすることができた。ことに後者のタイプ式は感触も感度も良く、それを薄く軽量なカバーに統合させた高度なハードウェアデザインがうかがえた。だが、その魅力の足を引っ張る要因がいくつもあった。
まず値段。モバイル用プロセッサーが搭載されたモデルは500ドル近くもし、iPadよりは多少安いが、アンドロイドタブレットの2.5倍以上の価格だった。そしてPC級モデルの900ドルは、PC としては手頃だが、このモデルを単なるタブレットだと勘違いしている人々には、とんでもなく高い価格に感じられたのだ。