日経平均株価が大幅下落した「5.23ショック」以降、1営業日中の株価の乱高下が止まらない。しばしば指摘される、先物市場や高速取引の影響がどのようなものなのか、探ってみた。

「午前に200万円の含み益が出て、喜んでトレーダー仲間に昼食のすしをおごった。ところが午後に場が開くと、260万円の含み損が出ていた」──。会社役員で、趣味で株の取引をしている宮下貴弘さん(34歳)はこう嘆く。

 昨年末以降、急騰した日経平均株価は、5月23日に1000円超と大幅に下がった。

 宮下さんは株の空売りでこの下落を乗り切ったが、その後は1営業日中の株価の変動が激しくなり、手持ちの株の含み益は半減してしまった。

 単純な下落よりも個人投資家を苦しめる、株価のボラティリティ(変動性)の高まり。特徴的な動きの背景を探ってみた。

 例えば、8月8日の日経平均の動き。昼ごろまで1万4000円を超えていた株価が午後に下落し、午後2時から2時半にかけて200円ほど急落。この日は1万3605円56銭で取引を終えた。

 逆に、午後2時ごろから100円以上、急上昇した日もある。

 こうした引け間際の急変の要因として複数のアナリストやストラテジストが指摘するのが、「レバレッジETF」だ。

 中でも、主流である「ダブルブル・ベア型」は、先物取引により、基準価額が日経平均や東証株価指数(TOPIX)の変動幅の2倍、増減する。