弊社の製品は自動車向けの工作機械が多く、国内では3~4割が自動車関連だ。昨年の10月以降から徐々に受注が減少し、上半期では中小部品メーカーを中心に、300台ものキャンセルが出た。
現在、自動車部品メーカーからの受注はピーク時の60%程度にとどまっている。特に、為替が大きく変動した10月20日以降は、海外からの受注も大きく落ち込んだ。
中小企業の与信低下で、購買力も下がっている。弊社の顧客層は中小メーカーが多く、受注全体に占める従業員50人以下の中小メーカーの比率は、従来の50%から35%まで縮小している。
国・地域別では、日本(35%減)、欧州(20%減)、東南アジア(30%減)、中国南部(70%減)などの落ち込みが目立つ。
一方、航空機や医療機器、エネルギーなどの業種は堅調で、これら業種が集中する中国北部は2倍増だ。世界不況の“震源地”北米も同様の業種が多いため、15%減にとどまっている。
現在の景気は、ジェットコースターでいえば、上から底めがけて急降下し、最も加速しているところだ。来年の5~6月が底で、回復の兆しが見えるのは2010年以降だろう。
10月以降は月650台から500台に減産、来年1~3月には400台まで落とし、2月末に国内工場の派遣社員も650人から300人を減らす。今できることは、2~3年後の景気回復に備え、減産をきちんとやり、人材の採用や教育、満足できる商品の開発などを粛々と進めることだ。(談)
(聞き手:『週刊ダイヤモンド』編集部 山本猛嗣)