1954年 岐阜県生まれ。名古屋大学工学部大学院修了。ビジネス書の書評メルマガ『We book of the Day』発行人、セミナーを通じた自律型の学びと成長の場「ジェイカレッジ」校長。KIT虎ノ門大学院で客員教授、東京藝大では非常勤講師として、ビジネスアイデア特論や社会事業マネジメント分野にて教鞭をとる。『早朝起業~「朝5時から9時まで」の黄金時間を自分のために使う方法』『マインドマップ読書術~自分のブランドを高め、人生の可能性を広げるノウハウ~』など著書多数
ここ3、4年のビジネス書の傾向として、ビジネス的エッセンスを、ストーリーや物語にからませて楽しく読みながら学べる本が注目されているように思います。物語の良さは、知識を知識として学ぶのではなく、疑似経験値として身に着けられるところでしょう。
しばらく前のヒットは、【もしドラ】と略された『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(2011)でした。2013年は、やはりなんといっても『100円コーラ』の永井孝尚さんのシリーズではないでしょうか。
それでは2013年から2014年にかけての冬休み、これだけは読んでおきたいという本を厳選し、3冊に絞ってご紹介しましょう。(書評メルマガ「Webook of the Day」編集長・松山真之助)
【マーケティング】
『100円のコーラを1000円で売る方法3』
永井孝尚著
2013年12月、フィリップ・コトラーが日経新聞の“私の履歴書”に登場しています。マーケティングの世界に革新的な考えを導入し、世界に広めた道のりを、自らが語る内容は、とても興味深いものがあります。
さて、マーケティング関連の書籍で、今年出版された一押しは、やはりこの本でしょう。
元IBMのビジネスパーソンだった永井さんによる『100円のコーラを1000円で売る』シリーズ3作品です。2013年は、第3巻が完結編として上梓されましたが、第3巻が一番読みごたえがあり、深みのあるストーリーになっています。
第一弾は2011年に発刊されベストセラーに。『100円のコーラを1000円で…』という人目を引くタイトルは、出版社のもくろみ通り大ブレーク。タイトルに負けないくらい読者をひきつける物語性と、マーケティングを物語形式で学べるというビジネス的要素が魅力の要因でした。2012年の第二弾もビジネス戦略を中心に、MBAコースの勉強を楽しく学べるしかけがとても魅力的でした。そして、今回、完結編ということで第三弾が発行されました。