前回は、各新聞のウェブサイトから記事を検索して読む方法について述べた。新聞記事をウェブで読む方法は、これ以外にもある。本連載の第22回「インターネット上の「新聞」の読み方」で述べたように、グーグルの「ニュース」を新聞記事のポータルとして利用する人が、最近では多くなった。

 結局、新聞記事の読み方としては、現在つぎの4つの方法が可能であることになる。

(1)紙の新聞を読む(われわれが昔から行なっている古典的な方法)。
(2)ウェブの新聞サイトから、当日の紙面を読む。あるいは過去の記事を検索して読む(前回述べた方法)。
(3)「グーグル・ニュース」などのニュースポータルから読む。
(4)グーグルなどの検索サイトからウェブ全体を検索する。

 どの読み方がよいかは、何を求めているかによって異なる。(1)とそれ以外の違いは、紙媒体かウェブかということだが、これは「情報のプッシュを受けたいのか、求める情報をプルしたいのか」の違いに関連している(この問題は、後の回で論じる)。

 (2)(3)(4)は、すべてウェブであり、後のほうほど広い範囲を対象としている。(3)の方法は、「いま世間で話題になっていることは何かを知る」というプッシュ的な機能に対応する側面が強い。

 情報をプルしたいとき、つまり、明確な問題意識があってそれに関する情報を得たいとき、(2)(3)(4)のどれがよいだろうか?「最も広い範囲を検索できる(4)がよい」と考えがちだが、必ずしもそうではない。なぜなら、得られる情報の質が違うからだ。とくに(4)では、さまざまな性質のものがヒットするため、目的に沿わない場合がある。

動向や背景を知りたいなら
新聞社のサイトがよい

 同じ対象であっても、場合によって知りたい情報の性質が異なる。それに応じて、情報収集の手段を使い分けることが必要だ。インターネットは、そうしたことを可能にするほどの装置に成長してきた。この問題を、具体例について考えてみよう。