中小企業では、資金繰りが悪くなると銀行借入に依存するケースが目立ちますが、借入はいずれ返済しないといけないもの。依存するにも限界があります。では、何から取り組んだらいいのでしょうか? それは自社単独で実践できるキャッシュフローの改善に他なりません。
営業・投資・財務の各キャッシュフローを改善しよう
自社のキャッシュフローを改善しようと思えば、営業・投資・財務のそれぞれのキャッシュフローの項目を見直すことが必要不可欠です。
営業活動のキャッシュフロー…自社の通常の営業活動で発生するキャッシュフローです。
特に必要運転資金を指し示す売上債権残高、棚卸資産残高、仕入債務残高の3つの項目については特に注意しなければなりません。
・必要運転資金=売上債権残高+棚卸資産残高-仕入債務残高
この必要運転資金が少なければ少ないほど、自社の資金繰りは改善されます。
例えば、売上債権残高をさらに細分化すると、以下の内容になります。
・売上債権残高=売掛金+受取手形-前受金
これをもとに考えると、以下の対応策が取れます。
1)売掛金の回収日数を早める
2)期日通り回収して、回収漏れを防ぐ
3)受取手形の取引を削減する。もしくは受取手形の取引自体を行わない
4)継続サービスを提供する場合は、年払サービス等で前受金をもらう
このように、一つ一つの項目における改善要素を確認して、いかにキャッシュフロー(資金の回転)を良くするのか、これを意識して取り組む必要があります。
最近では、この必要運転資金を日数で表した指標としてキャッシュ・コンバージョン・サイクル(必要運転資金日数)という言葉も新聞紙上をにぎわす機会が増えてきています。
自社の必要運転資金をいかにして削減するのか、中小企業だけでなく、上場企業でさえこの数値の改善に必死になっているのです。