相手が認めてほしいことを褒めなさい
坪田 アドラー心理学というのがあるんですが、アドラーさんは、「相手が褒めてほしいことを褒めなさい」と言っています。たとえば、子どもが80点のテスト用紙を喜んで持ち帰ってきたら「すごいね、80点で偉いね」と親の価値観で褒めるんじゃなくて「どういうところがうれしかった?」と聞く。「私にも教えて」と伝えることで、喜んでいた理由は点数ではなく、友達に勝ったことかもしれない。努力して点数が伸びたことかもしれない。先生に褒められたことがうれしいのかもしれない、と答えが変わってくるんです。
その中身を聞いてから「あ、先生に褒められたのがうれしいんだね」と共感する。「私も、喜んでるあなたを見るのがうれしいわ」と。もしここで「80点なんて偉いね」とか「頑張ったからだね」と言ってしまうと「親の価値観でいかなきゃ」と子ども自身が感じてしまうんです。すると、次のテストが78点だったら子どもとしては「どうしよう」となるし、親御さんも、「前回より2点下がったけど、頑張ってたし、何て言おうかな」となっちゃう。
大切なのはこちら側の価値観ではなく、相手の価値観で褒めること。それも『伝え方が9割』に体系的に書いてありますよね。
佐々木 はい。ありがとうございます。
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◆「伝え方が9割」バックナンバー
第1回 無理めな、あの人に デートOKをもらうコトバとは??
第2回 チカン多発地域!ある看板をつけたら チカンが発生しなくなった、そのコトバとは??
第3回 困った自転車放置!ある看板をつけたら放置がなくなる、そのコトバとは?
第4回 子どもが言っても勉強しない!言い方を変えたら、勉強をはじめたそのコトバとは?
第5回 いままで伝えることが苦手だった人のほうが、この方法で劇的に人生が変わる【本田直之×佐々木圭一】(前編)
第6回 伝える技術って、相手のことを想像する技術でもあるんです。【本田直之×佐々木圭一】(後編)
第7回 「相手のことを想像して伝える」それが、この本に書いてあるすべて【姜尚中×佐々木圭一】(前編)
第8回「心」という小説を書くことで、亡くなった息子に近づきたかった【姜尚中×佐々木圭一】(後編)
第9回 なぜDJポリスの伝え方が、群集を動かしたのか?そこに使われていた「伝え方のレシピ」。
第10回 DJポリスが伝え方で使った「チームワーク化」。これを使えば動かない人も動く。
第11回 実は隠れコンセプトは「相手のことを想像する技術」【元スターバックスコーヒージャパンCEO・岩田松雄×コピーライター・佐々木圭一】(前編)
第12回 上司は、自分が上司にやっていることを部下にも同じように求める【元スターバックスコーヒージャパンCEO・岩田松雄×コピーライター・佐々木圭一】(後編)
第13回 伝え方を身につけたら、日本企業は強くなる【サイバーエージェント藤田晋×佐々木圭一】(前編)
第14回 技術者こそ、伝え方の技術を学べばいい【サイバーエージェント藤田晋×佐々木圭一】(後編)
第15回 自分を世の中にどう伝えていくかが重要なこと、みんな肌で感じ始めてきてる【しずる村上×佐々木圭一】(前編)
第16回 世の中のいい言葉には、法則がある【しずる村上×佐々木圭一】(後編)
第19回 「あ、これは本物の本だな」と思ったんです【佐々木圭一×鈴木おさむ】(前編)
第20回 ほんのちょっとのサービス精神が、奇跡を生んだりする【佐々木圭一×鈴木おさむ】(後編)
第21回 【第1回】就活も、伝え方が9割 編
面接官のことを想像する
第22回 「小林さんが憲法を読んで伝えるというのは、まさに伝え方のギャップ法ですね」【小林麻耶×佐々木圭一】(前編)
第23回 「学べば“強い言葉”は誰でも作れます」【佐々木圭一×小林麻耶】(後編)
第24回 「相手の立場になって、考え抜いているか」【佐々木圭一×小西利行】(前編)
第25回 「伝え方を伝承するためにも、コピーライティング学を作りたい」
【佐々木圭一×小西利行】(後編)